数学・物理 入門 微分方程式と力学系

紙飛行機、凧、鳥などの飛行の原理

2014/06/08
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平板翼の理論:揚力と風圧中心

平板翼の揚力、モーメントの大きさと風圧中心位置は、飛行機の設計における基礎知識です。結論だけでも、勉強してください。平板翼の風洞実験結果はこの理論で始めて解明されています。また、回転モーメントの発生や紙飛行機の縦安定のページもこの理論の結果が使われています。

風圧中心:(ふつうは翼の)全空気力をその一点で支えることができる点
空力中心:(ふつうは翼の)全空気力によるモーメントが迎角によって変化しない点。
翼の場合,その翼断面形に関わらず,必ず前縁から翼弦長の25%付近の点に存在する

流れの中におかれた翼形に働く揚力も,後縁での流れを滑らかにするように境界層がはがれ,反時計まわりの循環Γをもった渦が放出されて流されていき,翼のまわりには時計まわりの強さΓの循環が残るためと解釈できる。速度Uの定常な流れで,揚力の大きさが流体の密度をρとするとき,ρUΓ に等しいというのがクッタ=ジューコフスキーの定理である
ここでΓは翼型を含む任意の閉曲線に沿って流速を線積分して得られる循環を意味する。これは、クッタが自分の1902年の論文中に埋もれていた関係式として1910年の論文で導いた式でもある。そのため、この式をクッタ・ジューコフスキーの定理と言う。
この式の見た目の簡単さとは裏腹に、ある流速Uの中に迎え角αで置かれた任意の翼型の循環Γを計算することは簡単ではありません。クッタやジューコフスキーは複素関数論の等角写像のテクニックを用いて、循環Γと翼型とを関係づける計算方法を開発して、低速・非圧縮生・完全流体における二次元翼設計法を確立した。
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2014/06/08
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空気の循環が揚力を生む

揚力が発生するメカニズム

翼に空気が当たると、翼周りに空気の流れの循環(渦)が発生し、翼の上面の空気が速くなり、そのため圧力差が生まれ、揚力が発生する。この時の揚力の大きさは「クッタ・ジュ-コフスキーの定理」により、
揚力=空気の流れの速さ×循環×空気の密度
で表されます。

離陸するため走り出すと、空気が翼にあたり、上に行く流れと下に行く流れに分かれます。この空気が上下に分かれる点を翼前縁の「淀み点」といいます。これは迎角がある場合、翼の前縁付近の少し下面よりにあります。上下に分かれた空気が再び出会うところを後縁の淀み点といいます。これは離陸時の最初、翼後縁付近の少し上面にあります。これはスピードが上がるにつれ少しずつ後ろに移動していき、最後に翼の後縁に一致します。このような流れになると翼周りに循環が発生します。なぜ後ろの淀み点が翼の後縁に一致するかというと、それは翼の後縁がとがっているからです(これをクッタ条件といいます)。

大気中には最初空気の循環は存在していません。飛行によって循環が発生すると、それを打ち消すように、逆向きの循環が発生しなければなりません。その、翼と逆の循環(渦)がいわゆる「出発渦」です。この出発渦は飛行場に残り飛行機が出発した後も、しばらく残ります。なお、ジャンボ機が離陸したすぐ後の空港は、出発渦や翼端渦で空気が乱れていて、小型機の墜落の原因になります。
通常は目視できないため、大型機のすぐ後を飛行または離着陸する小型機は注意を要する
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