数学・物理 入門 微分方程式と力学系

紙飛行機、凧、鳥などの飛行の原理

2014/06/06
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トビウオの飛行

マグロやシイラなどの補食動物から逃れるため,海面 付近で,最大飛距離は 400m,飛行速度は 55km/h にもお よぶ飛行能力を発揮する。

「生物の飛行 その精緻なメカニズムを探る」東昭(講談社ブルーバックス)によれば、トビウオの最大揚抗比(maxL/D)は約25だそうで、滑空性能はよい。

トビウオの飛行の研究によれば、

「実際のトビウオは地面効果を利用し滑空する際に,胸鰭と腹鰭の両者を使うことで,その能力を向上させている」という。
自然界の生き物は生来的に地面効果を会得している。海鳥やトビウオは水面効果を利用して海面上を滑空する。
トビウオは胸ビレに揚力を受けて、海面上2~6メートルの高さをグライダーのように、 秒速10~20メートルでと滑空する。飛距離は、300mにも及び、そのスピードは魚船より速く、時速約60キロとい。

地面効果(じめんこうか)とは、翼形状を持つ物体が地面付近を移動する際、翼と地面の間の空気流の変化に影響を受ける現象である。”ground effect”(グラウンド・エフェクト)とよばれる。水面近くを飛行する場合、翼が受ける揚力(上向きの力)が大きくなる現象やボディー下面を適切な形状にすると負圧が発生し、ダウンフォース(下向きの力)が得られる現象である。

パーソナルコンピュータなどに搭載されているハードディスクドライブに利用されている。起動すると高速回転するディスク(プラッタ)の表面に境界層が生じ、これが磁気ヘッドに対し強い気流となり磁気ヘッドを浮上させる。ヘッドを境界層の中に維持する必要から、プラッタとヘッドの間隔は10ナノメートル(1ミリメートルの10万分の1)という僅かな高さとなり、地面効果は磁気ヘッドがディスク表面へ接触することの抑制(すなわち浮上の維持)に寄与している。

トビウオの尾ビレは下の方が長い。尾ビレを水中に差し込んで、激しく左右に振ると推進力が生じるので、必ずしも、上空に浮き上がらずに、滑走できる。
飛びながら下に「しいら」などが見えれば旋 回もしますし,エネルギーが無くなって失速し そうになると尾びれの一部だけ水につけて再び 加速するというようなこともするようです。飛行の効率からすれば地面効果のあるところ を飛べば良いと思うのですが,実際にはその少 し上を飛んでいます。これはあまり水面すれす れに飛んでいると,天敵が水中からジャンプし て襲ってくる危険があるということではないか とのこと

参考: http://www.japa.or.jp/learning/lecture/soukai1.pdf

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2014/06/06
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烏賊の飛行

海水のジェット推進も空中で行っている。時速36キロメートルまで加速して高さ2~3メートルに達し、3秒間で約30メートル飛行したと言う。

北海道大学大学院の研究グループが、空中を飛ぶイカを撮影し、その行動の仕組みを世界ではじめて解明したと発表しました。 北大プレスリリース

イカの「飛ぶ」行動は4つの段階に分類できることが判明したという。

1つ目は「飛び出し」で、水を勢いよく吐き出し水面から飛び出す段階。この段階では、ヒレを外套膜に巻き付け腕もたたみ水の抵抗を小さくする姿勢を取っており、飛び出す前に高速で遊泳し水面へ接近してきたことを示唆するものだという。

2つ目は「噴射」で、水を漏斗から噴射し続け空中でも加速し、さらに揚力を発生させるためにヒレと腕を広げるという行動。この際、腕の間にある保護膜を広げることで、腕とともに翼のような形を形成。空中の移動速度は8.8~11.2m/sに達するものと考えられるとする。

3つ目は「滑空」で、水の噴射を終え、腕とヒレを広げた状態を維持したまま滑空を開始する行動。揚力はヒレや腕と保護膜で作った翼で発生させており、進行方向に向かってやや持ち上がった姿勢(ピッチ・アップ)を取ることで、バランスを取っているほか、外套膜は緊張状態を保ち、体の前後(ヒレと腕)にかかる揚力に耐え空中姿勢を安定させていることが判明。

そして4つ目が「着水」で、ヒレを外套膜に巻き付け腕をたたみ、進行方向に対してやや下がった姿勢(ピッチ・ダウン)を取ることで、着水時の衝撃を小さくさせていることが分かった。

イカの飛行は、逃避行動として頻繁に起きている可能性が高く、多くのイカが海鳥に空中で捕食されていることを示唆するものだとも説明している。

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