福島原発その6:真実は?:地震・津波と原発事故の質問/回答

復旧を願いながら、正しい知識を求めて、実際の事実を質疑・応答にしました。
あなたは、何問正解できるでしょうか?。
原発の問題
問1.福島原発と同程度の津波でも、事故が発生しなかった例はありますか。
(回答)yes 女川原発は大丈夫でした。その主な理由は、立地(高度)。
問2.事故後の15日ごろの東京・横浜の放射線量は、過去最大だったでしょうか。
(回答)no 中国の原爆実験の時が、測定開始以来の最大値でした。

問3.原子力事故で最も注目される放射性ヨウ素(131)の半減期は?
(回答)8日
問4.福島原発で最も放射性物質を空中に飛散させた炉は何号機?
(回答) 4号機使用済み燃料プールの火災(正式には、説明されていないですが、分析があります・・)
問5.福島原発の事故が発生したのは、津波によるとされていますが・・。全ての炉は停止しました。しかし、冷却できなくなったその理由は?
(回答) 全電源停止(これに、1号機などは圧力容器、格納容器の配管系の損傷による冷却水喪失事故を併発。)
問6.原子炉が停止しても、燃料に含まれる放射性同位体から崩壊熱が大量に発生する。これを冷却する必要があるが、冷却によって一定の比率で等比級数的に、発熱量が減少するか。
(回答) yes (100度以下の冷温停止に至るまでの時間は、圧力容器内の燃料と水位などの状況によって大きくことなるが、等比級数的に減少する。スリーマイルでは1年もかかった。東日本大震災で被災した福島第1原子力発電所の5号機は、20日、原子炉内 の温度が100度未満になって冷温停止。)
問7.福島第2原発は、全電源喪失しませんでしたが、その理由は?
(回答)非常用ディーゼル発電機などが気密性が高い原子炉建屋内にあり、機能を維持。原子炉の残留熱を除去するための海水をくみ上げるポンプが、海に近いポンプ建屋の中にありむき出しでなかった。
問8.再臨界の危機が発生するリスクがあったのでしょうか
(回答) yes 再臨界とは最悪の事態の1つ。原子炉の圧力容器内の底に溶融した核燃料が集まるなどして、再び核分裂反応を始めること。核分裂反応が持続する状態を作り出した場合、核分裂反応が臨界に達した、または臨界状態になったと称する。幸い再臨界はこれまでなかった、今後も注水などで発生しないとしている。核分裂反応で発生する中性子など検出値も大量ではない。15日に屋内退避、作業関係者退避を呼びかけている。
問9.原子炉の状態を知る上で重要な計測情報は何か?
(回答) 水位、温度(水温、圧力容器表面温度など)、圧力(圧力容器内、格納容器内)、管路の流量、核種別放射線量
地震と津波の問題
問1.今回の地震は東日本大震災と名付けられましたが、関東大震災と比べて、人身被害はどちらが多かったでしょうか?
(回答)関東大震災 (大正12年(1923年)9月1日 死者・行方不明者:105,385人 全壊が10万9千余棟、全焼が21万2000余棟)東日本大震災は、4月6日午前10時現在、警察が確認した死者は12都道県で1万2468人、行方不明者は1万5091人で、計2万7559人。
問2.津波の高さは10mを超えましたか。
(回答)yes (福島原発、女川原発などで14m)
問4.震度はマグニチュードで表わされますが、今回の地震のエネルギーは、阪神淡路大震災の何倍ぐらいでしょう。
(回答)yes
問4.銚子・外房沖以南では地震が少なかったが、何故でしょう。プレートが異なると言われますが、房総・東京湾岸・湘南のプレートの名前は?
(回答) フィリピン海プレート。(以北は、太平洋プレート)
問5.関東大震災では、津波は、東京湾内に何メートルできましたか。
(回答) 2m以下 (相模湾小田原沖が震源で4m以上の津波で、小田原城の石垣が崩れています。湾内は、マグニチュード7.2クラスの千葉沖や相模湾沖の地震でも過去2mを超えていないようです。
問6.汚染水が問題になっていますが、現在の福島第1の炉への注水量は、毎月1万トンを超えるでしょうか?
(回答) yes 4月6日の日経の発表では、現在の建屋・坑道の汚染水量は総量6万トン。原子炉を冷やすために、毎日500トン程度は注水でているので、月換算で2万トンに近い量です。(メガフロート:1万トン、バージ船:1500トン)
水を循環させる炉心冷却系が動かなければ、外部から入れ続けることになる。
設計基準、安全基準の問題
問1.今回の事故で、格納容器内の圧力は設計基準を超えましたか。その対策は・・。
(回答) yes 逃がし圧力弁を開ける
問2.原子炉の安全基準に関する指針は、どこが定めることになっていますか。
(回答)原子力安全委員会 (原子力安全委員会は、原子力の研究、開発および利用に関する事項のうち、安全の確保に関する事項について企画し、審議し、および決定することが任務であり、必要な場合は、内閣総理大臣を通じて関係行政機関の長に勧告することができる。2001年1月の省庁再編を機に、原子力安全委員会は総理府から内閣府に移管された)
問3.屋内避難地域に指定される基準は、何ミリシーベルトでしょうか?
(回答)10から50(安全委の基準では、放射線量の積算値が10~50ミリシーベルトは原則的に屋内退避、50ミリシーベルト以上は避難を指示することになっている。ただしこの基準は1週間程度で事故を収束できる場合を念頭に置いており、今回のように長期化するケースは想定外。)
問4.シーベルトとは、どのような測定単位ですか
(回答)生体への被曝の大きさの単位。記号はSv。Sv=放射線荷重係数×Gy
物質が放射線に照射されたとき、物質の吸収線量を示す単位がグレイ(記号Gy。定義J/kg)である。生体(人体)が放射線を受けた場合の影響は、受けた放射線の種類(アルファ線、ガンマ線など)によって異なるので、吸収線量値(グレイ)に放射線の種類ごとに定められた放射線荷重係数を乗じて線量当量(シーベルト)を算出する。
問5.1年間に自然環境から人が受ける放射線の世界平均は2.4ミリシーベルトです。それでは、人間の健康に影響が出ると証明されている放射線量の最低値(これ以下の放射線量についての健康被害は長期的なものを含めて一切証明されていない)は何ミリシーベルトでしょうか。
(回答)100  放射線業務従事者(妊娠可能な女子を除く)が法定の5年間にさらされてよい放射線の限度。放射線業務従事者(道場)が1回の緊急作業でさらされてよい放射線の限度でもあります。
経済・国際関係
問1.海外から多くの支援をいただきましたが、福島原発についての批判も多かったが主な内容は?
(回答)原子炉の状態、放射線量などに関わる情報の公開が不十分。(東電、保安院など)
問2.阪神淡路大地震は、建物・構造物の倒壊などの直接被害額は11兆円程度であった。復興に要した公的資金は5年間で9兆円と見積もられている。9兆円のうち5兆円が民間への移転として支払われている。今回の地震の経済被害は、この時よりも多いでしょうか。
(回答)yes 1.5倍から2倍と言われている。農業、漁業被害はいまだ未定。
問3.東京電力の株式は、29日の東京株式市場で、566円。地震前の何割に減少しましたか。
(回答)29日には3割弱(4月5日;2割程度)3月29日には、東電の株式時価総額は約9095億円と、1兆円を割り込んだ。東日本巨大地震前の3月10日時点(3兆4599億円)の3割弱まで減少。東電の総資産は13兆2000億円もある。これから、負債を引いた純資産は、2兆5100億円であった。これに対して、株式時価総額は9100億円である。純資産は、清算価値とも呼ばれるが、これよりも1兆6100億円も低い時価総額である。

73 thoughts on “福島原発その6:真実は?:地震・津波と原発事故の質問/回答

  1. 積算放射線量の予測を公開

    原子力安全委員会は4月25日、東京電力福島第一原子力発電所から大気中に放出された放射性物質のコンピューターによる拡散予測を公表。
    3月11日から4月25日までの1時間ごとの放射性物質の拡散予測と、これまでの積算放射線量が公開された。
    (コメント)
    ようやく公開です。予想通り、風に流されて雨などで降下した状況が伺える。

  2. 4号機のリスクに注視

    4号機タービン建屋地下の汚染水について、東京電力は4月25日日、約1か月前に比べ、放射性セシウムで250倍の高濃度になっていることを、事故対策統合本部の記者会見で公表した。建屋地下の水位は徐々に上昇しており、4月25日午前11時で、床から最大1・15メートルの水深が計測されるなど、前日に比べて5センチ上昇。1週間前に比べて15センチも増えるなど、水量全体も増加しつつあるという。
    (コメント)
    建屋地下の水位上昇の原因は、使用済み燃料プールに注入した水が、壁の亀裂から流出している可能性がある。
    また、3月24日に同じ場所で採取した汚染水と比べると、長期にわたり高い放射線を出すセシウム134が7800ベクレル、同137も8100ベクレルで、それぞれ約250倍に濃度が上昇しているということは、3月15日以降のプール内の空炊きで燃料が一部損傷して、溶融したのであろうか。
    実に危険な状況であり、プールの水位のモニタリングが欠かせない。使用済み燃料プールが危険か?。燃料も多く、発熱量も、放水量も最も多い4号機を注視すべし。4月12日の分析でも、通常なら検出されない放射性ヨウ素などが確認され、燃料が損傷している可能性が指摘されている。東電によると、採取した水の分析から、4月15日、プールでは水温が爆発前日の84度を上回る90度まで上昇していたことが判明している。
    水が蒸発して燃料棒が露出すると、燃料棒のウランが保護鞘を溶かして熱や放射性セシウムを放出する。「ウランが水中で溶ければ、ある種の原子炉を作ってしまうことになる。こうした状況でこの原子炉は制御不能となり、核分裂を始めることになる」事態は避けねばならない。

  3. 4号機の問題

    大量の燃料があり、蒸発量が多いだけでなく、重大なリスクがある。
    1.プールの位置が高く、建物が爆発で損傷しているので、水の重さに耐えきれずに崩れやすい。
    2.プールのヒビワレが大きくなると、注水しても水位があがらなくなり極めて危険。
    注水しながら、耐震補強、水漏れ防止の対策は????。
    4号機は使用済み燃料保管庫の状態であるが、取りだして他の場所で保管することは難しいか??。

  4. 4号機の問題

    4月23日時点では、東電は「注水に伴い、想定通りに水位が上がった。プールの壁などに問題はないのでは」としていたが、注水量に比べて水位上昇が少なく、26日保安院は、壁の損傷と水漏れの可能性に言及。東電は「格納容器へ流れ出している可能性もある」と説明している。
    (コメント)
    地下の汚染水の放射線量から明らかなように「格納容器に流れ出している」のではなく、地下へ流出しているようです。

  5. 4号機の汚染水

    高濃度である原因は、???
    東電は、4号機地下の汚染水が建屋が3号機と配管などでつながっていることから「3号機の原子炉を冷却するために注入している水が漏出している可能性が高い」(東電)という。
    (コメント)
    4号機のプールの汚染水が原因ではない????

  6. 4号機での幸運!

    4号機で3月15日火災が発生したが、その後原因究明が遅れた。その後、使用済み燃料プールで空炊きの危機が発生した。
    4号機は空炊きで水素爆発を起こし、外壁が吹き飛んだ。その時、幸運にもプールに隣接する「原子炉ウェル」との間のゲートが壊れたようです。おかげで、原子炉ウェルの水が流入することで、空炊きが一時収まったとの見方がでてきた。(4月28日14時31分 読売)
    本当に幸運にもゲートが壊れることで、注水が遅れたにも関わらず、大規模な燃料の損傷と溶融が起こらなかった可能性が高いという。
    何故、ヘリや消防車による注水が遅かったにもかかわらず、いつまでも蒸気が出ていた理由がわかったとのこと。
    建屋内のゲートなどの状況をしっていれば、容易に4号機の汚染水の流出がゲートを経由していると判るはずです。なぜ、いまごろまで、当時の危機状況と現在の汚染水流出の原因の説明が遅れたのでしょう。

  7. 4号機のプール映像公開

    東京電力は29日、福島第一原子力発電所4号機の原子炉建屋内にある使用済み核燃料一時貯蔵プールの映像を公開した。
     東電によれば、プール内部が破損している様子はみられないという
    (コメント)
    プール内部の破損ではなく、ゲートからの流出の可能性が高いとの見方か?。
    朗報です。

  8. 東電、政府に支援要請

    清水正孝社長は5月10日午前、首相官邸を訪れ、福島第一原子力発電所事故の被害者への損害賠償策について、政府に支援を要請した。
    今年度、火力発電への依存度が高まって燃料費が追加で1兆円近くかかるうえ、社債や借入金の償還・返済でも約7500億円が必要となることなどを説明。「資金面で早晩立ちゆかなくなり、補償に影響を与える恐れがあるばかりでなく、電気の安定供給に支障を来す恐れがある」として、政府に対し、支援の枠組みを早急に策定してもらうよう求めた。
    (5月10日14時31分 読売)
    (コメント)
    原油価格上昇と重なり、単年度で追加コスト7500億円はおおきい。東電の手元の流動資金は少ないので、借入金の頼らざるを得ない状況。早期に、廃炉の影響分析が必至では?。
    市場での資金調達は、株価下落で増資困難、社債の金利上昇で起債も困難な状況。
    JALよりは、まだ資金繰りは良いが、今後の補償など考えると原油高、高コストの火力発電は、早期に経営を直撃する。
    大規模停電の場合も回復が難しいダメージを与える。停電からすぐに復旧できると思わないこと。これを回避するために、自家発の電力を買って揚水発電して凌ぐにしても高コストでしょう。

  9. 高き住居は児孫の和楽 想へ惨禍の大津浪

    本州最東端の姉吉漁港から延びる急坂に立つ石碑に刻まれた言葉.
    1933年の昭和大津波の直後、住民らが石碑を建立。その後は全ての住民が石碑より高い場所で暮らすようになった。
    地震の起きた11日、港にいた住民たちは大津波警報が発令されると、高台にある家を目指して、曲がりくねった約800メートルの坂道を駆け上がった。巨大な波が濁流となり、漁船もろとも押し寄せてきたが、その勢いは石碑の約50メートル手前で止まった.
    先人の教訓のおかげで集落は生き残ったという。

  10. 1号機は炉心溶融してた

    東電は12日、高熱で圧力容器底部が損傷し、直径数センチ程度の穴に相当する損傷部から水が圧力容器から漏れていると発表した。圧力容器を覆う格納容器からも水が漏れだしている可能性が高いという。
    (コメント)これは、1号機でメルトダウンが発生し、溶融した燃料が圧力容器の底部から格納容器に落っこちて、冷やされている状態である。
    危なかったですね!! これまでは、圧力容器の中で、注水によって冷やされている状態と説明されていた。
    東電によると、1号機では現在、燃料を冷却するため圧力容器内への注水(毎時約8トン)が続き、累積注水量はすでに1万立方メートルを超えている。ところが、10日に圧力容器の水位計を調整した結果、冷却水の水位が容器の底部から最大4メートル程度しかないことが判明。この漏水量から圧力容器の損傷を計算したところ、直径数センチの穴に相当することが分かった。
    汚染水の状況と注水してもコンクリートの外部に出るということは、格納容器にも漏水があるのは間違いなかろう。またコンクリートの亀裂から漏れている可能性もある。
    注水のおかげで、チャイナシンドロームは発生していないことを願っている。

  11. 格納容器から漏れている?

    1号機は、2、3号機に比べて、格納容器の健全性が保たれていると考えられ、原子炉を安定的に冷やすための作業が先行して行われて、冠水作業中であった。1号機は、これまで考えられていたほど水がたまっておらず、格納容器の半分にも達していないと11日に発表されている。
    格納容器の配管の損傷部から漏れているのか、さらにコンクリートの亀裂もあってもれているのか問題か??
    いずれにせよ、1気圧を前提にしている格納容器が壊れる事態は避けなければ・・。注水と回収、再注水のサイクルを回し続ける。コンクリートや圧力容器からの漏水量はどの程度か?。注水の回収率は???。回収率がわかれば、コンクリートからの漏水の有無と程度がわかる。

  12. コンクリートの壁の補強が最重要か?

    各原子炉への注水量と回収水量がわかれば漏水量の計算が可能である。
    一番の心配事はコンクリートの強度でしょう。特に、4号機は、1~3号機に比べて多い、計1535体の燃料集合体(燃料棒の束)が置かれ、残留熱のため水の蒸発が極めて早い。そのため2日に1度、生コン圧送機による約170トンの注水している。満水時のプール全体の重量は約1600トンらしいので、壁がヒビワレすれば一大事。
    この場所で、冷やし続けるならば、プールなどの壁の補強で漏水を防がねばならない。工程表には、地震に備え、プール底部を支える壁の設置を盛り込んでいる。

  13. 2号機、3号機も炉心溶融!

    東京電力は5月14日、2、3号機の原子炉について「最悪の場合、1号機と同様のケースが想定できる」と説明し、核燃料全体の溶融(メルトダウン)の可能性を初めて認めた。
    1号機は水位が低かったことでメルトダウンの可能性大としたのに、引き続いての言及。
    東電は4月末、燃料の損傷率を、1号機で55%、2号機35%、3号機30%と試算していた。
    (コメント)格納容器からの漏水の程度が問題。
    外壁の補強と漏水の移送や再循環システムが重要。

  14. 汚染水の移送、保管問題

    東京電力は14日、1号機の原子炉建屋地下1階に大量の汚染水がたまっている可能性があると発表した。作業員が原子炉建屋1階北西部の階段から地下をのぞき、水たまりを発見した。地下1階の高さは11メートルで、水たまりの水位は、床から約4・2メートルの高さにまで達している。階段付近の放射線量は毎時72ミリ・シーベルト。
    東京電力は14日、2号機で進めている作業用トンネルにたまる高濃度汚染水の集中廃棄物処理施設への移送が同日午前7時までに5070トンに達し、目標(1万トン)の半分を超えたと発表した。一方、作業用トンネルの水位は、4月19日の移送開始時に比べ、逆に4センチ上昇しており、処理が思うように進んでいない。
    3号機の汚染水も増え、その保管場所の確保のため、移送量を増やせないでいる。
    3号機は、今月に入って原子炉温度が上昇。東電は「注水配管から水が漏れている可能性がある」として、12日夕から別の配管からも注水していた。二つの配管で計毎時12トンを注水していたが、14日未明になっても原子炉温度の上昇が続き、従来の配管からの注水量を増やすことにした。
    (コメント)
    当然、漏洩する水量も増加すると思われる。

  15. 地下に溜まる汚染水

    2号機、2号機もメルトダウンの可能性に言及があったが、注水で発生する汚染水は、地下に滞留する。現に、建屋地下や作業用トンネルなどで汚染水が発見されている。漏出に併せて回収し再利用しないと移送水が驚くほど大量になるので、貯蔵や浄化のコストが膨らみ続ける。
    ちなみに、1号機では、格納容器側の水位も想定より低く、これまで注水された1万トンのうち、少なくとも4000トン以上の水が「消えた」ことになる。すべて滞留か???。
    冠水による早期の冷温停止作戦が難しくなったので、これも長期戦になるか?。

  16. 4号機の地下水は?

    1~4号機のタービン建屋外の地下にある配管トンネルと立て坑にもたまり水が存在し、水面から高い放射線量が検出されていると報道されているが、最も注水量の多い4号機の地下水の状況が報道されていない。注水量と蒸発量が均衡して、たまり水が増えていない状況か??。
    東京電力は4月26日、福島第1原発4号機の使用済み核燃料プールから水が漏れている可能性があることを明らかにしている。
    一方、4月23日の報道では、「東京電力は23日、高温状態が懸念されていた福島第1原発4号機の使用済み核燃料プールに22~23日に計約280トンを注水し、燃料棒の上部から4メートル弱まで水位が上昇したと発表した。燃料プールは本来、燃料上部から7メートル上まで水が入っている。しかし、プールの水温が一時91度まで上昇したため注水分の大半が蒸発し、21日の時点で燃料上部から2メートル弱しか水がないことが判明。このため22、23の両日、140トンずつ水を注入した結果、燃料上部から4メートル弱まで水位が上がり、水温も66度まで下がったという。」
    建屋の強度の心配もあり、注水しすぎると荷重が増えるし、流出問題も出るので保管状態の維持が重要。
    4月2日公表の調査地点では、何故か4号機が調査からはずされている。30日に採取した4号機以外の地下水を分析したところ、1号機の放射性ヨウ素131の汚染度が一番高かったことが分かっている。
    一方、4月2日、4号機でも建屋の地下で高濃度の汚染水が発見されているのに何故かその後、地下の水の調査結果が見当たらない。大量か高濃度かが心配である。
    保安院の発表では、東京電力福島第1原発4号機の原子炉建屋地下にたまった放射性物質を含んだ汚染水の水深が約5メートルに及ぶことが4月18日に分かっている。
    5月7日午前11時頃、4号機のプール注水用の生コン圧送機のアームの先につけたカメラを水中撮影をおこなっている。4号機プールの水中撮影は4月28日に続き2回目。プール内には熱を帯びた使用済み核燃料があり、水温が80~90度と高いため、気泡も確認できる。水温は、高いようです。

  17. 3号機圧力容器の温度上昇

    3号機の注水不足か?
    報道によれば、「3号機では5月に入って温度の上昇傾向が鮮明になり、圧力容器上部は、4月末には80度台だったが5月8日には217度に達し、高い状態が続いている」
    東京電力は10日、圧力容器への注水経路を変更し、水をより確実に入れるため、タービン建屋内で配管の工事をした。経路切り替えは12日以降の予定。
    14日午前10時すぎに冷却用注水の量を毎時12トンから15トンに増やしたと発表した。圧力容器下部の温度は同5時時点で148.1度だった。3号機はこれまで消火系配管から注水していたが、配管の分岐構造の関係で十分届いていないと考えられたため、12日午後から徐々に給水系配管からの注水に切り替える作業を行っていた。この日は消火系配管からの注水を毎時6トンから9トンに増やし、給水系配管からの注水を6トンのままとした。
    (コメント)
    注水用の配管の損傷で注水がうまくいかないか、圧力容器の底部などからの漏水もあるか心配。炉心溶融の疑いがある。最近の最大の心配事です。

  18. 1号機の重要事実

    1号機の原子炉建屋内で東日本大震災発生当日の3月11日夜、毎時300ミリシーベルト相当の高い放射線量が検出されていたことが5月14日、東電関係者への取材で分かった。高い線量は原子炉の燃料の放射性物質が大量に漏れていたためとみられる。(05/15 02:02 共同通信)
    (コメント)
    1号機は津波の前に、「地震の揺れで圧力容器や配管に損傷があったかもしれない」という。地震によって、格納容器の圧力上昇や圧力容器内の水位低下が始まった可能性が高いのでは??。電源停止後、再注水しても炉心溶融が想定される重要事実。
    当時の水位や温度のデータも計器の損傷などで信頼できなかったようです。しかし、この事実は、後の炉心溶融の最大の原因か。大規模地震では、配管系の損傷で、格納容器の圧力があがり、ベントする事態も有りうることになる。
    格納容器の強度、外壁の強度が問題になる。外壁で事後冠水できる機能まで設計上必要になるか??

  19. 地震直後の1、2号機の出来事

    5月16日東電発表のデータによれば
    1号機での状況は、
    1.11日午後2時46分:地震発生、すぐに緊急停止(スクラム)
    2.11日2時52分:非常用復水系の自動起動
    3.11日3時ごろ:非常用復水系の一時停止
    4.11日3時半頃津波到来、3時37分:全交流電源喪失
    5.11日3時50分:計測用電源喪失(水位不明に)
    6.11日6時20分:東北電力に高圧電源車の派遣要請
    7.11日7時30分頃:燃料が露出し炉心溶融はじまる
    8.11日11時頃:最初の電源車が到着
    9、12日午前1時48分:非常用復水系の完全停止
    10、12日5時46分:消防ポンプによる淡水注入開始
    11、12日午後2時53分:淡水注入終了
    12.12日3時36分:1号機で水素爆発
    13.12日7時4分:消防ポンプによる海水注入開始
    2号機、3号機については
    1.3月12日午前3時2分と6分に原子炉隔離時冷却系の手動起動を行っている。(1号機は行っていない。)原子炉隔離時冷却系自動停止したのは、2号機は14日午後1時半、3号機は午前11時36分。
    2.2号機、3号機については計測用の電源停止は報告されていない。(水位などは測られていた?)

  20. 東電の赤字1.5兆円

    2011年3月期連結決算で、税引き後利益が東電として過去最大となる1.5兆円規模の赤字となることが5月19日、明らかになった。
    東電は震災前の今年1月に業績予想を上方修正し、11年3月期の税引き後利益が300億円増の1100億円になるとしていた。1~4号機の廃炉費用は1基あたり1500億円程度かかるとみられるほか、震災の被害にあった火力発電所の復旧費用なども計上する。

  21. 海水注入の決断

    東電が5月16日に発表した資料によると、1号機の原子炉への海水注入は震災翌日の3月12日の午後7時4分に開始された。それ以前に注入していた淡水が足りなくなったため、東電が実施を決めた。
    東電から淡水から海水への注入に切り替える方針について事前報告を受けた菅首相は、内閣府の原子力安全委員会の班目(まだらめ)春樹委員長に「海水を注入した場合、再臨界の危険はないか」と質問した。班目氏が「あり得る」と返答したため、首相は同12日午後6時に原子力安全委と経済産業省原子力安全・保安院に対し、海水注入による再臨界の可能性について詳しく検討するよう指示。併せて福島第一原発から半径20キロ・メートルの住民に避難指示を出した。
     首相が海水注入について懸念を表明したことを踏まえ、東電は海水注入から約20分後の午後7時25分にいったん注入を中止。その後、原子力安全委から同40分に「海水注入による再臨界の心配はない」と首相へ報告があったため、首相は同55分に海江田経済産業相に対し海水注入を指示。海江田氏の指示を受けた東電は午後8時20分に注入を再開した。

  22. 何故、東電は、バルブ開放が遅れた?

    東電は5月16日、2000ページ以上に及ぶ原子炉の運転状況を記録した「日誌」を公開した。
    地震発生直後、津波が到達する前、発電所作業員は原子炉の1つの予備冷却システムのバルブを閉鎖した。冷却システムは外部電源に依存していないため、閉じても問題はないと考えたためだ。専門家は、この判断が核燃料の急速な溶融を招いた可能性があるとしている。
    圧力を下げるためのベント作業について、なぜ東電幹部が最終的な決断を7時間も遅らせたのか?
    1.午後3時37分、東電本社の事故対策本部に福島第1原発から「全交流電源喪失」との通報が入った
    2.ブラックアウトの後、電源を復旧させる時間はまだ8時間あると考えていた。原子炉の燃料棒の冷却や主計器の電源となる予備電源は8時間持つと想定されていたためだ。(16日に公開された文書によると、東電作業員は、全部ではないとしても、ほとんどの予備電源が津波で機能不全に陥ったと今は考えている。だが、当時はそれが分からなかった。)
    3.午後9時21分には危険なサインを発見した。1号機の水位が急激に下がっており、燃料棒がいまにも露出しそうだった。
    4.午後11時頃、最初の発電用トラックが到着した。東京の首相官邸では歓声が上がった。(しかし、 津波警報も発せられ、作業員は高台に避難しなければならなかった。最初の24時間のうちに接続できた発電機はわずか1台だったことを、東電の資料が示している)
    5.真夜中には、1号機の格納容器内の圧力が、設計時に想定された最大レベルをすでに50%超えていた。放射能レベルが非常に高かったため、東電の清水正孝社長は作業員に建物からの退避命令を出した。(格納容器が圧力で破損する前に、原子炉内の蒸気を放出しなければならない。)
    6.菅首相と海江田万里経済産業相は、午前1時半頃、公式に蒸気放出を認めた。
    7.3月12日午前2時45分、東電は原子力安全・保安院に1号機の格納容器内の圧力が想定最大レベルの倍になっているようだと伝えた。それでも、蒸気放出口は閉じられたままだった。首相官邸から、海江田経済産業相は東電の経営陣に1時間ごとに電話をし、進捗状況を尋ねた。午前6時50分、海江田経済産業相は蒸気放出を命じた。だが、実行はされなかった
    8.公表したところによると、3月12日朝のこの時点では、1号機の核燃料はすでに溶け落ち、容器の底に積み重なっていたと思われるという。
    9. 東電はなお、蒸気放出をせずに事故を収束させたいと考えていた。記者会見と国会証言で、東京電力の清水社長は、時間がかかったのは周辺住民の避難への懸念と技術的な問題のためだと述べた。
    10.3月12日の朝、東電の役員を自らせっくために、菅首相は福島第1原発に飛んだ。午前7時頃、10人乗りの自衛隊ヘリコプターは、菅首相と複数の補佐官を乗せ、発電所に到着した。 東電の原子力事業を率いる武藤栄副社長と発電所長の吉田昌郎氏の正面に菅首相が座った。
    11.白髪長身の原子力技術者、武藤副社長と衝突した。武藤副社長は、発電所の電力の問題があるため、あと4時間蒸気放出はできないと言った。作業員を送り込んで、蒸気排出弁を手動で開けることを検討しているが、原子炉付近の放射線レベルが非常に高いため、そうすべきかどうか確定できない。一時間ほどで決定すると、武藤副社長は言った。( 菅首相の補佐官によると、「人ぐりが悪い」と武藤副社長は言ったという。)
    12.菅首相は「悠長なことを言っている場合じゃない、出来ることは何でもやって、早くしろ」と怒鳴った。
    13.菅首相は、このミーティングの後すぐに福島第1原発を離れた。午前8時18分、発電所の技術者が最初に菅首相らに、1号機から蒸気を排出したいと伝えてから7時間後、東電は首相官邸にあと1時間ほどでバルブを開けると伝えた。
    14.午前8時18分、発電所の技術者が最初に菅首相らに、1号機から蒸気を排出したいと伝えてから7時間後、東電は首相官邸にあと1時間ほどでバルブを開けると伝えた。
    15.安全弁はまだ開放が可能だった。問題はこうだ。通常、それは制御室で電動か圧縮空気で開閉するが、いずれのシステムも機能していなかった。福島第1原発のシフト・マネジャーは、完全防護服を着用し、マスクと酸素ボンベも身につけた。手動でバルブを開けなければならなかった。
    (コメント)弁の開放遅れが、格納容器の損傷と地下水汚染につながった。
    何故、東電副社長は、バルブ開放を遅らせたか??。考えられるのは、「政治判断で開放」としたかった。「既に、炉心溶融を感じて、避難を優先したかった」、「現場判断を、上層部が止めて、遅らせた」のか。「弁を開ける人がいなかった」のか??
    いずれか不明。

  23. 1号機の海水注入問題

    福島第1原発1号機をめぐり、大震災の翌日に東京電力が最初に行った海水の注入が菅首相の指示で中断されたとされる問題で、政府と東京電力の統合対策室は、海水注入は東電から官邸に報告されていなかったとして、「菅首相が注水を中断させた事実はない」との認識を示した。
    午後4時半すぎ、細野首相補佐官は「海水注入の事実そのものをですね、官邸としては、まったく把握をしておりませんでした」と述べた。
    1号機への海水の注入は、震災翌日の3月12日午後7時4分に開始し、午後7時25分にいったん停止した。
    その後、午後8時20分に再開したが、55分間冷却がストップした状態となった。
    統合対策室によると、午後7時4分の海水注入は、東京電力が試験的に行ったもので、試験的に海水の注入を開始したことや停止したことは、官邸には報告されなかったという。

  24. プール循環冷却装置

    5月22日、東京電力は、福島第一原子力発電所の2号機に続き、1、3、4号機の使用済み核燃料一時貯蔵プールでも、冷却水を循環させて燃料を冷やす装置を設置すると発表した。
    2号機は23日から資材の搬入を始め、今月末には稼働予定。1、3号機は6月下旬、4号機は7月中旬の完成を目指す。
    (コメント)
    建屋のコンクリートは65度以上の高温に長期間さらされると劣化が早まる。燃料棒の数が多い4号機などでは、水温がしばしば90度を超えているので、劣化が問題であり、補強対策も重要か。

  25. 建屋からの放出量調査開始

    5月22日、東京電力は、福島第一原発の1号機と4号機の原子炉建屋から、どの程度の放射性物質が現在も放出され続けているか調査を始めたと発表しました。
    東京電力は使用済み燃料プールへの放水のために1号機と4号機に設置されているコンクリートポンプ車のアームの先端に特殊な装置を取りつけ、放射性物質を採取し、放出される量の調査を22日、1号機で始めました。
    (コメント)
    空中放出量の調査のようです。
    地下への流出量の推計値はまだ公表されていない。

  26. 3号機の燃料溶融の可能性

    3月25日未明、東京電力は「第3号機の燃料棒を搭載している圧力容器が破損している可能性がある」と発表し、「放射性物質が遠方に放出された」と日本の原子力安全・保安院は報告している。
    また、5月15日、細野豪志・総理補佐官は記者会見で福島第一原発の1号機から3号機について、溶融した燃料が圧力容器の外側の 納容器に漏れ出ている可能性があると述べている。
    「個人が持っている懸念事項だが、程度の問題はあるが多少は落ちていると想定されるが」(細野豪志首相補佐官、午後5時半ごろ)
    1号機については、燃料の溶融が発生し、圧力容器の底部に穴をあけて、一部が格納容器に漏れ出したとの報道があった。
    2号機、3号機の溶融状態が懸念されている。溶融した燃料が圧力容器の外側の格納容器に漏れ出ている可能性があるとされ、温度も3号機は高い。
    日経新聞は、5月16日、「政府と東京電力の統合対策室は、1~3号機について、燃料の大半が溶融していることを前提に冷却作業を進める方針を明らかにした。」と報道している。
    福島第1原発では16日、建屋にたまった汚染水を浄化する装置の資材搬入も進んだ。仏アレバ社製で、汚染水の放射性物質などを取り除き冷却水として再利用する。17日にも組み立てを本格化し、装置は6月の稼働を目指す。復旧作業を阻む汚染水の増加が懸念されている。

  27. 2,3号機の圧力、水位、温度など

    福島第一原発事故:グラフで見るプラントパラメータがホームページにある。
    2号機は、原子炉、格納容器の圧力が、外気圧を若干したまわっている。これは、蒸気圧が効いていない状態であり、圧力容器の損傷は間違いないとみれる。事故当初、格納容器圧力が急上昇後爆発音を出している。
    一方、「3号機は、圧力容器周りの温度が140度、格納容器の温度が196度と格納容器の方が高温である。これも、圧力容器が損傷し溶融物が格納容器に落ちた可能性が高いことということ」(本東芝技術者、後藤氏)
    5月になって、給水ノズル温度も急上昇し150度を超えている。16日でも140度程度と高温である。
    いずれも、溶融燃料の放射性物質が汚染水や蒸気とともに外部に流出している事態であろうという。石川原子力技術協会顧問も、「3つの炉心ともに溶融している可能性が高い」としているが、溶融した燃料の状態が問題。格納容器に一部漏出していれば、いまだ内部は高温で冷温冷却状態になるまでに相当時間がかかるし、汚染水の連続流出が続く。冷却水の循環を続けないと毎月1万トンオーダーの汚染水の処理に窮することになる。
    (コメント)
    水位低下と流出水のため、冷温に時間がかかっている状態であろう。安定していない。

  28. 格納容器内の温度

    東電の記者会見によれば、1~3号機の原子炉格納容器内の温度計が回復したことだ。回復した際、1号機は400度を超える温度、3号機は390度前後の温度となっていた。現在発表されている最新の値では、1号機は380度台、3号機は200度以下ということのようだ。
    この温度は、原子炉格納容器内部にある原子炉圧力容器の外側に接着した温度計で計測されたもののようだ。
    (コメント)注水量を増やすと下がるが、漏水もあるので、水位は冠水状態にならず、高温が続いている。
    水位計は、地震で基準水面がブレてしまった可能性があり、1号機同様に、あてにならないのではなかろうか。1号機では補正したところ、大幅に水位が低い事態が判明し、燃料溶融と判断されている。

  29. 事故時の冷却水の注入途絶

    細野豪志首相補佐官は5月16日に記者会見で、
    「3月11日の地震直後に原子炉圧力容器への冷却水の注入が途絶えた時間は、1号機で14時間9分、2号機で6時間29分、3号機で6時間43分だったと明らかにし、電源喪失などが原因となって長時間、燃料が冷やせなかったとの認識を示した。」
    3号機は5月上旬、圧力容器の温度が上昇したため注水量を増やしており、汚染水の増加が懸念されている。
    (コメント)
    1,2,3号機は、それぞれ圧力容器の配管の損傷状態が異なる。また、1号機は地震によって配管損傷も言われている。水位の低下も溶融の状況も炉によって異なり、発熱量もそれぞれ異なっている。
    1号機は、炉心溶融を起こしている。3号機は5月になって高温が続いている。

  30. 2・3号機も炉心溶融!

    東京電力は2、3号機について、1号機と同様に核燃料がメルトダウン(炉心溶融)していたとする報告書をまとめた
    2、3号機について〈1〉炉内の水位が水位計の表示通りだった〈2〉水位計のデータは信頼できず、1号機と同じ様に核燃料が全露出している――の二つのケースに分けて、模擬計算を行い、結果を示した。それによると、いずれの場合にも核燃料が溶融して、原子炉圧力容器底部に崩落した状態になっていると評価。全露出のケースでは、核燃料全体が溶融して、崩壊しているとした

  31. 3号機の溶融の経緯

    東日本大震災発生から36時間後の3月13日未明の出来事
    それまでは、津波により電源を失ったものの、隔離時冷却系、高圧注水系という2種類の緊急冷却装置が相次いで起動し、何とか綱渡りの注水を続けていた。
    13日午前2時42分、頼みの綱の高圧注水系が、原子炉圧力が低下したために自動停止。
    バッテリーが枯渇し、動作不能に陥ると、0・58メガ・パスカルだった原子炉圧力が、わずか2時間で7メガ・パスカル以上に急上昇した。
    再度、隔離時冷却系を起動しようと試みたものの動かず、午前5時10分に「給水全喪失」を国に報告する
    原子炉水位は下がり続け、東電の試算では午前7時ごろに燃料が水面から露出し始めた。午前9時過ぎ、原子炉の圧力を下げるために圧力容器内の蒸気を格納容器へ逃すと、燃料は完全に露出し、燃料が損傷し始めたと、東電はみている。

  32. 1号機、地震15時間後には燃料が溶融し全量落下??

    1号機で一番早く水素爆発が起こった。
    「地震発生後、緊急停止の動作が直ちに始まった。制御棒が挿入されて出力は低下し、外部からの電源が切断されたため非常用ディーゼル発電機も2台が起動した。また、発電タービンに蒸気を送る弁が閉じ、地震発生6分後には蒸気を水に戻すための非常用復水器も起動した。
    しかし、津波が襲来してすべての交流電源が失われると、1号機の損傷は急速に進んだ。解析では、電源喪失後2時間ほどで圧力容器内の水位が下がり、炉心の燃料棒が現れ始めた。その1時間後には原子炉の温度が急激に上がり、損傷が始まった。温度は最高で2800度まで上がったとみられ、燃料棒は熱で被覆管が溶け、さらに中の燃料ペレットも中央部から溶けたり、崩れたりする炉心溶融(メルトダウン)が進行。
    地震の15時間後には、全量が圧力容器の下に落ちたとみられる」という。
    「東電レポートの想定ケース(原子炉圧力容器の水位が計測値より低い場合)の場合
    2号機は原子炉が東日本大震災(3月11日)で自動停止した101時間後、3号機は同60時間後には、大部分の核燃料が圧力容器の底部に落下した」との結果だそうです。
    (5月24日13時20分 読売)

  33. 1号機の経緯

    東電によると、地震発生直後には圧力容器内の蒸気を冷やす「非常用復水器」が働いていたが、3月11日午後3時半ごろに1号機に津波が到達して機能が喪失したと仮定した。
     解析の結果、津波到達直後から圧力容器内の水位が急激に下がり始め、午後6時ごろに燃料頂部が水面から露出。同7時半ごろに燃料が完全に水面上に出て空だき状態になって損傷が始まり、同9時ごろには炉心の温度が燃料の融点(2800度)に達した。
     同日の午後7時50分ごろには燃料上部が溶融して崩落し始め、16時間後の12日午前6時50分ごろには、燃料の大部分が溶融し圧力容器底部に落下するメルトダウンの状態になった。東電は、この時点で圧力容器の底が損傷して水が漏れ始めたと推定している。ただ、損傷は限定的とみている。
     同午前5時50分ごろから炉心に淡水を入れ始めた。しかし、解析によると水位は容器が損傷した同6時過ぎに急激に下がって燃料の下端から4メートル下になり、その後、海水を注入しても変化はなかった。

  34. 1~3号機、格納容器も損傷!

    東京電力は、5月23日に経済産業省原子力安全・保安院に提出報告書で、1~3号機では、圧力容器だけではなく、その外側を覆う鋼鉄製の格納容器も、地震後24時間以内に損傷していた可能性があるとしている。
    格納容器は、運転時に300度近い高温と70気圧もの高圧にさらされる圧力容器と異なり、設計上の温度・圧力条件が低く設定されている。300度を超す高温では、格納容器で配管や機器の貫通部を密閉しているゴムや金属が耐えられずに劣化してしまい、放射性物質を含んだ蒸気が漏れ出したとみられる。
    (コメント)
    読売のニュース2号機損傷のの図をみると、溶融物が圧力容器の底にたまるだけでなく、「格納容器にも直径10cmの穴があいていると試算」とある。空炊きが続き、格納容器も高温になった。水が全て蒸発し全くなかったか、高温の溶融物が穴をあけたか???それとも、圧力抑制室の爆発で穴ができたのか??

  35. 1~3号機、格納容器も損傷!

    2号機は、14日午前中に原子炉圧力が急上昇し、急低下。格納容器の圧力が上がり。圧力抑制室付近で爆発音の後圧力が急低下している。2号機では、地震発生から津波が襲来するまでの間に、炉心に注水する非常用冷却装置「原子炉隔離時冷却系」が起動した。
    日誌の記録などによると、運転員は原子炉の水位の変動に合わせて冷却系の運転と停止を繰り返した。この冷却系が機能しなくなったのは3月14日午後1時25分頃で、11日午後2時46分の地震発生からほぼ3日間、燃料の冷却は続いていたことになる。
    このあたりで、溶融物が噴出したか??

  36. ベントと海水注入の遅れの謎

    ベントも海水注入も遅れたが、その結果、高濃度の汚染水の大量地下流出となった。
    何故、このような遅れが生じたか?。スリーマイルのように自動的にベントすれば、事故もその程度ですんだのでは・・・。
    これについて、産経ニュースでは、ベントすれば圧力が下がるので海水注入が可能になるが、「東電には首相に放射能を浴びせないよう配慮するような余裕はなかった。電源喪失で東電は弁を開けたくても開けられなかったのだ。ベント開始は、午後2時30分。海江田の指示から10時間が経過していた。」と書いている。
    一方、読売は「首相の意向で海水注入中断…震災翌日に55分間」と書いている。
    爆発後の12日夜の枝野氏の記者会見では、「地震による自動停止で原子炉内の圧力上昇と過熱を引き起こし、炉心溶融が心配されていた東京電力福島第一原発1号機に、東電は海水を注入するという決断をした。」という。
    また4月9日の 08:11 の産経ニュースでは、東電が躊躇したという。記事では、「計器は午後0時半に4メートルある燃料棒のうち1・7メートルが水面から露出していることを示していた。 「計器が故障している可能性があります」。東電は、より多くの量を確保できる海水の注入を見送り、保安院も報告をうのみにする。午後3時36分、1号機で水素爆発が起き、建屋上部が吹き飛んだ。」とある。
    http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110409/dst11040908190006-n3.htm
    先に書いた現地での武藤副社長の説明では、「人繰りがわるいので、すぐにできない」との主旨であったとの話もある。
    また、海水注入は廃炉につながるので、東電が躊躇との報道もある。
    一方、「東電の清水社長は、福島第1原発事故発生後のベントと海水注入の実施について、清水社長自身が判断したことを明らかにした。」(4月13日 共同通信)との報道もある。

  37. ベントと海水注入の遅れの謎

    2011/04/01 東京読売新聞 朝刊
    「初動つまずく 海水注入遅れ 危機連鎖招く」によれば。
    炉心を冷やすため、東電が1号機への海水注入を始めたのは12日午後8時過ぎ。格納容器の圧力が異常上昇してから、すでに19時間が経過していた。翌13日以降、3号機と2号機でも海水注入が行われたが、冷却効果は限定的だったとみられる。2号機では14日、仮設ポンプの燃料切れで冷却水を完全に失う。15日朝には格納容器の一部である圧力抑制室が損傷したとみられる爆発が起きた
    19日付の米ウォール・ストリート・ジャーナル紙(電子版)は「注入が遅れたのは、原発資産を損なうことへの懸念があった」と指摘。こうした批判に対し、東電の武藤栄副社長は21日夜の記者会見で「最大限の努力を払って冷却してきた」と、否定に躍起となった。

  38. ベントと海水注入の遅れの謎

    3月18日の産経の記事に詳しい。
    大津波をかぶって自動冷却装置が破損し、炉内の冷却が思うようにいかない、との報告が上がってきた。官邸内に緊張が走ったが、首相には野党の追及から逃れた安堵感とはまた別種の「意外な自信」(政府関係者)がみなぎっていた。
     「まず、安全措置として10キロ圏内の住民らを避難させる。真水では足りないだろうから海水を使ってでも炉内を冷却させることだ」
     首相の意向は東電に伝えられた。
    東電側の反応は首相の思惑と異なっていた。
     10キロの避難指示という首相の想定に対しては「そこまでの心配は要らない」。海水の注入には「炉が使い物にならなくなる」と激しく抵抗したのだ。
     首相も一転、事態の推移を見守ることにした。東電の“安全宣言”をひとまず信じ、当初は3キロ圏内の避難指示から始めるなど自らの「勘」は封印した。
     「一部の原発が自動停止したが、外部への放射性物質の影響は確認されていない。落ち着いて行動されるよう心からお願いする」
     首相は11日午後4時57分に発表した国民向けの「メッセージ」で、こんな“楽観論”を表明した。
     ところが、第1原発の状況は改善されず、海水注入の作業も12日午後になって徐々に始めたが、後の祭りだった。建屋の爆発や燃料棒露出と続き、放射能漏れが現実のものとなった。

  39. 1号機で海水注入が継続

    東京電力の武藤栄副社長は26日、福島第一原子力発電所1号機の海水注入の一時中断はなかった事実が、24日から25日にかけての社内のヒアリングで判明したと語った。また、ヒアリングは第一原発の吉田所長に対して行われ、松本純一・原子力立地本部長代理は「吉田所長の記憶の中にあり、証言が得られた」と述べた。
    東電は26日、「実際には海水注入は継続していた」と発表した 同原発の吉田昌郎(まさお)所長が、事態の悪化を防ぐため必要と判断し、東電本店の意向に反して独断で継続したという。東電は今月24、25の両日、吉田所長らに聞き取り調査を実施。吉田所長は事実を明かした理由について「国際原子力機関(IAEA)の調査もあり、正しい事実に基づき評価が行われるべきだと考えた」と説明したという
    読売新聞によれば、武藤栄副社長(60)は1号機への海水注入について、これまでの説明を根本から覆した。会見によると、海水注入が始まって21分後の3月12日午後7時25分、「首相の了解がないと注水ができないという官邸内の雰囲気」を東電幹部が本店に伝えてきた。当時、海水で原子炉を冷やすのは「一刻も早くやりたい」(武藤副社長)事項だったが、官邸に反論することもなく、本店にいた清水正孝社長(66)と同原発の吉田昌郎(まさお)所長(56)らは注水中断で一致した。しかし、吉田所長は現場の判断で注入を継続。本店の意向に逆らったことになるが、武藤副社長は会見で、「妥当な判断だった」と擁護した。
    枝野官房長官は26日の記者会見で、東京電力福島第一原発1号機で海水注入が継続していたとの東電の発表について、「事実関係を正確に報告してもらわないと、我々も対応に苦慮するし、国民が疑問、不審に思う」と述べ、東電の対応に不快感を示した。
    谷垣総裁は26日の記者会見で、「事実説明の迷走に、開いた口がふさがらない。日本政府が原発をどう安定させるか、世界が注目する中、事実関係がくるくる(変わる)ということで、信頼を回復出来るのか」と語った。自民党は、6月1日の党首討論で首相から注水中断の指示があったかどうかを谷垣氏が追及する方針だった

  40. 汚水処理コストの謎

    週間ポスト平成23年6月10日号によれば、
    大量の汚染水の処理を請け負う予定と多数報じられたのは、日本企業ではなくフランスの原子力大手「アレバ」。米国の原子力大手キュリオン社も汚染水にゼオライト(吸着材の一種)を投入して、放射性セシウムを吸い取る工程を請け負っている(アレバ社が関わる工程の前段階)。
    東京工業大学原子炉工学研究所所長の有冨正憲教授は、処理技術を東京電力に提案していた。しかし、採択されなかったらしい。
    「私が東電に提案したのは、フェロシアン化鉄の粉末を使って水と放射性物質セシウムを分離し、凝集沈降剤で固める方法です。アレバの技術と理論は同じですが、放射性セシウムを95%以上除去できることが確認され、費用は汚染水1トンあたり10万円以下です。凝集沈降剤の投入を遠隔操作するための施設や機器、作業員の確保が難点ですが、これらは日本のプラントメーカーの技術でクリアできる。処理は国内で十分に可能です」日本の技術を使えば1トン当り10万円以下ということですから、20万トンで200億円もあれば処理できることになります
    一説によると、その金額は1トン当り2億円という法外なもので、汚染水は20万トンに上ると見積もられていますので、これで計算すると総額40兆円にもなるという。これは東電の総資産の何倍にもなるのでさすがに間違いでしょうが・・・。
    汚水処理のコストについては、開示されていない。
    電力料金はいずれ総括原価で決められ、企業や家庭が負担することになるので気になるところです。
    東京電力の決算がやっとのことで5月20日に公表される。共同通信の配信では、東京電力はこの決算で、廃炉費用等による1兆円の特別損失を計上し、当期純損失は8000億円前後になるという。資産減損、原発廃炉、損害賠償のそれぞれがどの程度かは、不明瞭である。いずれ、詳細が説明されるはず。

  41. 汚水処理コストの謎

    廃炉費用は、除却債務として資産と負債に計上し、毎年均等に償却しなければいけない。廃炉までに10年かかるとすると、毎年,おおむね総額の1/10程度の費用負担が発生するということでしょうが・・・。

  42. 廃炉コストの会計

    原子力発電施設解体引当金は資産除去債務かという記事がありました。
    震災による原子力発電所の停止や損壊については、原子炉などの施設を解体する際に掛かる費用は原子力発電施設解体引当金の、災害補償については災害損失引当金の取崩しが行われるであろうことは容易に想像できるが・・・。

  43. 廃炉と損害賠償コストの会計

    会計上の負債性引当金の計上は、原因事実の発生と費用の合理的見積もりの2つを要件としている。そこで、原発廃炉と損害賠償は、その金額の合理的見積もりができないので、確定したもの以外は計上しないというのが東京電力の立場で、新日本監査法人は、その財務諸表は適正で、ただし原発廃炉と損害賠償について注記がついているので、それを参照しながら注意して財務諸表を読んでもらいたいと言うことになるようです。

  44. 汚染水処理費用の会計

    【質問】 汚染水処理の費用は決算に含まれているか?
    【回答】 【東京電力】<参考2>特別損失の内訳(単独)(PDF 8.80KB) http://www.tepco.co.jp 4262億円のところに含んでいる。 現時点で見積もれるものに関しては見積もっているが、現時点で見積もれないものは含んでいません。

  45. 汚染水処理費用の会計

    5月27日
    東京電力は27日、福島第1原発のタービン建屋地下などにたまった高濃度の放射性物質を含んだ汚染水の処理費が総額531億円に上るとの試算結果を公表した。1立方メートル当たり21万円となり、東電が全額を負担する。 処理費用を巡っては、総額数十兆円に上るとの臆測も流れていたが、東電側が否定した。 東電によると、 約8万4700立方メートル(5月16日現在)の高濃度汚染水があるが、最終的には約25万立方メートルを処理する必要があると見込み、施設や仮設タンクの建設費、汚染水の処理費などを積算した。 高濃度汚染水は現在、タービン建屋地下から集中廃棄物処理施設に移送しているが、移送費や低濃度汚染水の処理費は含まれていない。

  46. 東電の株価と不安要因

    6月9日の東京株式市場で、東京電力株(東証1部)は一時、前日終値比52円(26%)安の148円まで下落。終値は、先週末の286円から計94円(32・8%)も下落するなど、底が見えない状態が続いている。
    最大の不安要因は、廃炉、損害賠償、補償費のそれぞれがどの程度か不明瞭であるためであろう。
    高濃度汚染水の分離・淡水化する循環注水冷却については、1日1200tの処理を行う予定であり、530億円程度が今回公表され、特別損失として見込まれるというが、出てくる廃棄物の処理費用は不明なまま。また容器内溶融物、および使用済み燃料プール燃料の保管・処理の方法や費用は公開されていないので不明である。農業・水産被害の補償も不明なので、経営の見通しが見えず、株価は安定しないままか?

  47. 東電の株価と不安要因

    6月9日
    東京電力は保安院に福島第一原発の高濃度放射線性汚染水処理工程の概要を報告。この報告を受け同院より「東京電力株式会社福島第一原子力発電所における高濃度の放射性物質を含むたまり水の処理設備及び貯蔵設備等の設置について(指示)」が提示された。このやり取りの中で、高濃度放射性汚染水処理工程で生成される1億ベクレル/立方センチの「高濃度放射性廃棄物」は、一時的に敷地内に保管する計画は示されているものの、最終処分までの道筋は、この報告書には記載されていない。
    平時の放射性廃棄物は、本格稼働していない青森県六ケ所村の六ヶ所再処理工場の高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センターで処理されている。同処理工場では2006年から2008年の再処理実績が425トンという。
    いまだに本格稼働していない再処理工場の建設に、現在までに2兆1930億円の費用が投入されてきたという。

  48. 余剰電力の買取制度

    現在、太陽光発電については09年11月から、家庭や事業所から生じた余剰電力の買取制度が導入されており、平成23年度の買取価格は住宅用(10キロワット未満)が1キロワット時当たり42円。住宅用(10キロワット以上)が同40円。非住宅用も同40円となっている。余剰電力買取制度は家庭などで消費されたあとに余った電力を電力会社が購入するもの。一方、全量買取は太陽光発電システムを使って発電した電気全部を電力会社などに売る。買取価格の水準設定いかんによるが、全量買取の方が再生エネルギー設備設置に対してより大きなインセンティブとして働くとみられる

  49. 自然エネルギー買取制度

    家庭の1kwh当たりの電気代23円ですから、40円で自然エネルギーの電気をどんどん買い取れば、赤字になるので、価格に転嫁されるだけ。
    総発電量に占める自然エネルギーの割合は、0.008%にすぎなない。廃棄物発電のうち、動植物由来のものを含めると、0.5%程度となる(2003 年度)。
    自然エネルギー割合は現在1%以下で、水力発電を含めても約10%。活用推進には技術、コスト面で問題点が指摘され、目標達成には多くのハードルがありそうだ

  50. 太陽光発電の価格と技術進歩

    設備の製造コストは、これまで「普及量が2倍になるとだいたい2割安くなる」という経験則に従って推移しています。このままのペースでいくと、あと10年しないうちに電力料金より安い価格になりそうです。
    これまで原油価格などの急騰にもかかわらず、太陽光発電のコストは低減傾向を続けてきました。一方、原油など枯渇性燃料の価格は長期的に上昇が見込まれています。
    変換効率を11.5%に高めた薄膜シリコン太陽電池をステンレス薄板上に連続生産し、簡略化したモジュール構造にした場合の見積もりでは、70円/Wp以下のモジュール製造コストになると見られています(小西、太陽光発電用超低コストモジュール製造技術の提案、2009年2月)。
    電力料金より安くなることをグリッドパリティ(grid parity)と呼びます。既にこれに近い生産コストを達成していると表明する企業(First Solarなど)もあり、多くの国においてグリッドパリティが達成されるのは時間の問題と見られています。

  51. 世界の大規模停電の事例

    事例研究があります。
    イタリヤや米国では10時間以上の大規模停電があった。
    復旧しても、工場などは再開や製品の品質確保が大変。医療機関のリスクも大きい。

  52. 保安院、東電の報告資料公開

    東京電力福島第一原子力発電所事故が発生した3月11日以降、5月末までに東電からファクスで受け取った約1万1000ページ分の報告資料を同院のホームページで公表した。
    (6月24日夜)

  53. 4号機で何が起きているか?光と白煙が発生?

    1号機と同様に、水位計の調節を行うと格納容器内の水位は大丈夫か。
    メルトダウンの後、格納容器内で適切に冷やされているかが心配です。4号機のカメラ映像 4月16日夜に水蒸気が噴出した映像が公開されている。光り輝く状況は何か??。

    あの白い煙と光の正体を小出先生が疑問を呈しています 
    http://www.ustream.tv/recorded/15435561

  54. 4号機?燃料6400本の共用プール付近から光と白煙?

    共用プールのプラントパラメーターは公開されておらず正常に機能しているか???
    4号機の原子炉建屋上部にあり、機器を水に漬けて保管している「ピット」という場所の水位が低下、水による放射線遮蔽効果がなくなり、露出した機器から強い放射線が出ている可能性が高いことが6月19日、分かった。使用済み燃料プールの水が燃料の熱で蒸発して水位が低下。プールにつながるピットの水位も低下したとみられる。
    http://blogs.yahoo.co.jp/pita3gora/34913832.html

  55. 3号機アルカリ性でラックの腐食対策

    3号機のプールには、3月の原子炉建屋の水素爆発で、大量のがれきが落ちた。放置されたがれきがプール水に溶けだし、アルカリ性になった。ラックの腐食が進むと強度がもろくなり、最悪の場合は燃料集合体が倒れて再臨界の恐れがあるという。これを防ぐため26、27日の2日間で約90トンのホウ酸水を入れる。1号機も原子炉建屋の水素爆発によってプールにがれきが落ちた。プール水がアルカリ性になっており、ホウ酸水を注入する予定だ。2号機と4号機はプール水がほぼ中性のため必要はないという。
    本当か?。4号機のピットでも、同じことではなかろうか???

  56. 3号機強アルカリ性

    先月、水を採取したところpHが11.2と強いアルカリ性になっていることが分かりました。プール内のがれきから
    水酸化カルシウムが溶け出したことが原因とみられ、東京電力によりますと、このままの 状態が続くと、使用済み燃料を束ねた燃料集合体を入れているアルミニウム製のラックが
    腐食するおそれがあり、最悪の場合、集合体が倒れて再臨界のおそれもあるということです。 3号機プールには、燃料566体が入っている。
    何故、3号機が強アルカリで4号機はそうならなかった理由がわからない。
    燃料の違いか???。

  57. 2号機も冷やされない???

    6月25日の東電発表によると、2号機の原子炉格納容器付近の温度が高いため、周辺配管内の水が予想より多く蒸発しているとみられる。
    従来の見解では、2号機の核燃料は、1、3号機と同様、ほとんどが溶け落ち、その大半は原子炉圧力容器の底で水によって冷却されており、一部が穴などからさらに下(外側)の格納容器へ落下しているとみられていた。2号機格納容器付近の温度が高いのは、圧力容器底か格納容器底のどちらか、あるいは両方の溶け落ちた核燃料が冷やされていないためなのだろうか。
    東京電力や経済産業省の原子力安全・保安院は、核燃料はほとんど溶け落ち、その大部分は「原子炉圧力容器の下部で水によって冷却されている」として、1号機だけでなく2、3号機も同様の状態とみている。
    一方、小出助教はのように、さらに格納容器下にある「分厚いコンクリート」を核燃料が溶かしながら「どんどんめり込んでいる状態だと思っている」ひともいる。
    本当は??。アルカリ性の理由は??

  58. 1,2号機廃棄塔で過去最高線量の放射線検出

    東京電力は8月1日、福島第一原子力発電所の1、2号機原子炉建屋近くにある主排気筒の下部の配管表面で、これまでで最高の1時間当たり10シーベルト(1万ミリ・シーベルト)以上の放射線を検出したと発表した。
    毎時10シーベルトの放射線を6分間浴びると、吐き気などの急性症状が出る1シーベルトの被曝ひばく線量に達する
    地面近くを通る配管の表面の放射線量を測定して判明した。
    燃料棒の溶融物が配管から放出される際に付着しているものと予想される。
    4か月以上経過しての新たな発見ですが、ベントが原因か?。あまりに高い放射性物質が外部配管に在ったことになる。

  59. 1,2号機廃棄塔で過去最高線量の放射線検出

    メルトスルーした放射性物質の発する放射線による施設内線量分布を測定しておかないと作業も大変であるが・・・.
    東電による敷地内放射線量の測定図はいまだ判っていない。

  60. 11月20日(日)

    11月20日(日)
    3号機の原子炉建屋内部で、3号機では過去最高となる毎時1600ミリシーベルトという非常に高い放射線量が測定された.
    東京電力は19日の調査で、原子炉建屋1階の床から毎時1600ミリシーベルトを測定したと発表しました。
    3号機建屋では過去最高の線量
    1号機では、地下から蒸気が噴出している動画が公開されているが、3号機も同様に地下階から蒸気が噴出し、その蒸気が水になって床面に溜まった????
    それとも、地震による配管破断???

  61. 事故原因は?????

    原発の安全対策の3原則は、「止める」(緊急停止)「冷やす」(炉心の過熱を抑える)「閉じ込める」(放射性物質が漏れ出さないようにする)の3つといわれている。
    福島第一原発ができたのは、最初の「止める」だけだった
    福島第一原発と、同様の大地震・大津波に見舞われても事故にならなかった福島第二原発、女川原発、東海第二原発の教訓
    ーー非常用発電機 が「空冷式」で、しかも水没しない高所に置いてあった第二原発6号機は、5号機にも電力を融通して冷却を行ない、2機とも冷温停止。
    結論;すべての交流電源が長期間にわたって喪失した。このためECCS(緊急炉心冷却装置)やホウ酸水注入系など最悪事故に備えた安全装置が1つも機能しなかった。
    「事故原因は、津波というより、設計指針と電源確保対策にあった」—>「想定外の津波による事故」ではない。IAEAは津波としているが・・・。

  62. 4号機爆発の真相?

    東京電力は11月10日、福島第1原発4号機原子炉建屋で3月15日午前に発生した水素爆発について、隣接する3号機から水素が逆流したことが原因との調査結果を発表した。
    爆発の発生地点は損傷度合いが激しい4階付近と断定。
    原因は、4号機の使用済み核燃料プールから発生した水素ではなく、空調ダクトとつながっている3号機側から逆流した水素と推定した。4号機は3号機と排気筒を共有しており、空調ダクト同士がつながっている
    4号機の使用済み燃料プールから発生した水素が、換気空調設備により、4号機全体に運ばれたと考えを否定できる根拠は???

  63. 4号機爆発の真相?

    東京電力は4号機の爆発について3号機で発生した水素が排気管と空調ダクトを通じて4号機に流れ、4号機の爆発を引き起こしたと発表した。そうであれば3号機と4号機は同時に爆発したはずだが????
    3号機の水素爆発でバラバラになった排気管を伝って水素が4号機んい行ったことになるが????。そして、その後に爆発したのか????

  64. 4号機燃料貯蔵本数

    保安院 3月17日
    福島第一原子力発電所 使用済燃料プールにおける使用済燃料の貯蔵本数によれば、1535本。
    http://www.meti.go.jp/press/20110317008/20110317008-4.pdf
    一方、3月15日の報道では建屋の4階と5階の間にある使用済み燃料プールには783体の使用済みの燃料が貯蔵されていたという。
    差し引き1535-783=752
    これは、どこに貯蔵されていたのか???。プール以外の場所で水で満たされていたのは、—->原子炉ではないのか?
    不思議ですね。

  65. 排気筒の逆流:設計ミス

    1.電源停止状態で、逆流しない仕組みになっていない。
    2.排気筒を共用(分離が望ましい)
    などが、水素爆発の原因????。設計ミスか?
    元来、ベントの発想が無かったようです。
    福島第一原発1-5号機は、「マーク1型」と呼ばれる米GE社の設計による初期の沸騰水型原子炉で、その後改良された沸騰水型と異なり格納容器が小さいという特徴を持つ。1980年代中ごろから米国では、事故時に圧力容器内の燃料が溶けて発生した水素の爆発によって格納容器が破壊される危険性が指摘され、格納容器内のガスを外へ逃すベント弁を新たにつける改善措置が80年代の終わりからとられた。これに対し、日本では通産省(当時)も原子力安全委員会も国内のマーク1型に同種の対応は必要とないという姿勢をとり続け、東京電力でも社内で相当な議論の末、ベント弁取り付けが必要だとする意見が通り、1990年代中ごろからようやくベント弁が設置された経緯がある。

  66. ドライベントと排気

    ベントが水素を建屋内に充満させ爆発を引き起こした可能性もある。排気問題が重要か。
    原子炉圧力容器や格納容器で水素爆発が起きる危険を回避するために、建屋に水素を逃がす???

  67. ドライベントすれば、水素爆発

    3号機の原子炉のベント(排気)を行った時に、その水素を含んだ蒸気がパイプを通じて4号機に逆流
    ドライベントすると、排気できず逆流。
    1号機もそうだった可能性は???。
    ベントしないと容器が壊れるのだから、ベントせざるを得ない。水素ガスの排気の設計が課題。

  68. 当時封印の最悪シナリオ

    原子力委員会の近藤駿介委員長が作成した「福島第1原子力発電所の不測事態シナリオの素描」
    http://ex-skf-jp.blogspot.jp/2012/02/blog-post_5776.html
    公式文書として認めていなかったことを認めた原子力委員会の「最悪シナリオ」作成されたのは2011年3月25日
    4号機を注視していたが報道されなかった
    4号機プールにおける燃料破損に続くコアコンクリート相互作用が発生して放射性物質の放出が始まると予想されるので、その外側の区域に屋内退避を求めるのは適切ではない。少なくとも、その
    発生が本格化する14日後までに、7日間の線量から判断して屋内退避区域とされることになる50kmの範囲では、速やかに避難が行われるべである。
    さらに土壌汚染の状況や、自然放射線量を大幅に超える事態を考慮すると、最大250km、あるいはそれ以上の地域でも避難の必要が生じる
    「民間事故調」となる「福島原発事故独立検証委員会」によれば
    4号機のプールに爆発した3号機から水が流れ込んだのは、まったくの幸運だったが、同じ運は二度と同じようにはやってこない。【「委員会」プログラム・ディレクター】
    「最悪のケース」の想定づくりは、本来ならば班目春樹・原子力安全委員長の役目だが、班目は1号機の水素爆発の可能性を否定したため、菅の信用を失っていた。
     近藤駿介・原子力委員会委員長が「最悪のシナリオ」を作成することになった。作業は3日間の突貫作業となり、次のような分析が行われた。
    菅首相は退任後「今回の危機では、使用済み燃料プールがもっとも怖かった。最終処分地のないことがその背景にある」と述べている。

  69. 使用済み核燃料

     東電の工程表では3号機からの燃料取り出しの開始を平成26年度末としている
     燃料取り出しが一番早く計画されている4号機では、今年7月に未使用の燃料2体を試験的に搬出した。ただ敷地内の共用プールに十分な空き場所が確保できないため、取り出しは来年末からになるという。

  70. 使用済み核燃料

     原発から出た使用済み核燃料を一時的に保管する国内初の中間貯蔵施設の起工式が31日、青森県むつ市で行われた。
     施設は東京電力と日本原子力発電が出資する事業者「リサイクル燃料貯蔵」(本社・むつ市)が建設。両電力から使用済み燃料を受け入れ、再処理するまでの間、約50年保管する。
     最大3千トン貯蔵できる建屋を先行して建設し、2012年7月に受け入れを開始する予定。今後、増設して最終的に5千トンの貯蔵量とする計画だ。使用済み燃料は、金属製のキャスクと呼ばれる専用容器で保管され、空気で冷却される。
     国内の原発では、年間計約千トンの使用済み燃料が発生するが、試運転中の日本原燃の再処理工場(青森県六ケ所村)は、フル稼働しても処理能力は年間約800トン。そのため、関西電力なども中間貯蔵施設の設置を検討している。

  71. 使用済み核燃料

    使用済み核燃料が全国で保管され続けているのは、日本が、これらをすべて再処理し再び燃料として利用する「核燃料サイクル」を目指しているからです。
    このサイクルで、使用済み核燃料は青森県六ヶ所村の再処理工場に運び込まれ、再処理されることになっていますが、工場の本格運転は大幅に遅れています。
    このため、これまでに出た使用済み核燃料1万7000トン余りのうち、1万4400トンが全国の原発のプールで保管されたままになっており、貯蔵可能な容量の70%にまで迫っています。