映画 ダビンチコードの謎と見所:ルーブルに始まり、そして?

映画のダ・ヴィンチ・コード「ダビンチコード」を見た。
謎は、深まるばかりです。ストーリーは判ったものの、フィクションなので何が本当で、作者の意図は何だったのかが茫漠としている。
謎を解くキーワードは、「最後の晩餐」「五芒星」「フィボナッチ」「マグダラのマリア」「聖杯伝説」
「聖杯」とは、キリスト磔刑時ローマ兵士の槍で刺された際、メシアの脇腹から流れ出た血を納めた器のこと
 
そして、登場するグループは 「オプス・ディ」「シオン修道会」「テンプル騎士団」。
シオン修道会は現在でも、謎らしい。シオン修道会とは、「メロ ヴィング王朝の復興」をめざした会派らしい。メロヴィング王朝というのは西ヨーロッパの基盤を作った王朝の 一つで今から1300年ほど前に滅びてしまった王朝の一つ。
オプスディやテンプル騎士団は、歴史の記録に残っている。テンプル騎士団エルサレム特攻隊みたいなもので、何度も殲滅されるが、後に、膨大な富を築き、それに目を付けたフランスの国王はテンプル騎士団を壊滅させたという。
映画に登場する場所は、フランスのルーブルに始まり、ローズズライン上の教会や城など です。
映画では、ルーブル美術館館長はジャック・ソニエールの殺害から始まる。そして、
1.シオン修道会という結社が、長年にわたって、クリスチャニティの秘密を守ってきた。その中には、ニュートンやダビンチなどの有力者がいた。
2.聖杯は、キリストの妻であったとするマグダラのマリアの眠る棺であり、ローズラインのどこかの地下に眠っている。
3.バチカンに認可されたオプス・ディという敬虔なクリスチャンの一派は、洗脳や肉体の修行で有名だが、映画では、聖杯の秘密を消し去ろうとして、殺人を侵し、主人公たちを襲撃する。
4.テンプル騎士団は、十字軍の時、何かを求めて聖地エルサレムに行ったが、その後、教会で高い地位を得る。
5.キリストの血脈は永く守られ現在まで密かに騎士団の子孫たちによって護衛されている
6.ダビンチの最後の晩餐の絵のなかに、妻マリアが描かれている
7.記号としては、男性∩と女性Vの合成である五芒星があらわれる。またフィボナッチ数
も、暗証番号に使われているらしい。
8.昔のとんがり帽子の魔女狩りも、異教徒の弾圧と関係あるらしい?。
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ルーブルの殺人現場で、五芒星のマークを付けられた死者をみながら、警部ジョンレノとトムハンクスがこんな話をしています。
「新興勢力が既存の象徴を奪い、それを長期間貶めてもとの意味を消そうとする。異教の象徴とキリスト教の象徴の戦いでは、異教が敗れました。ポセイドンの三又の矛は悪魔の槍に、老賢女のとんがり帽子は魔女の象徴に、そして金星の五芒星は悪魔のしるしになったのです。
あまり、詳しく書くと、これから観る人の楽しみを奪いかねないのでこの程度を書いておく。
この映画は、キリストは人間であり、妻マリアに子供がいたとする点で、カソリックの反発をかっている。レバノン当局では、この本を発禁処分とし同国では、発売されていないという。
『レックス・ムンディ』というアドベンチャー小説に1885年、異端カタリ派の悲劇を今に伝えるラングドック地方。その1寒村レンヌ・ル・シャトーに、ランジェ・ソニエール1人の祭司が着任したとある。この子孫が、映画の登場人物かもしれない。カタリとは清浄の意味で、13世紀に南フランスと北・中部イタリアに確固たる地位を築くものの、異端審問により14世紀半ばに根絶されたそうだ。参考:ある司祭の秘密:聖杯、テンプル騎士団、カタリ派
ルネッサンスの時代が、ダビンチコードの始まりである。当時、科学的思考は異端とされ、ローマ教皇は一般の人には科学をすることを禁じたらしい。メディチ家は、ルネサンス期のイタリア・フィレンツェにおいて銀行家、政治家君臨し、後に一族は、トスカーナ大公国の君主となっている。メディチ家は、レオナルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、ボッテチェリなどの多数の芸術家を支援した。レオナルド・ダ・ヴィンチは歴史学、天文学、そして科学などの活動は、異端であったらしい。ルネッサンスや科学の進歩が宗教改革に繋がったといわれているが、マルチン・ルターなどの新興勢力はカソリックと異なる道を歩んでいる。
たしかに、「神」「聖霊」「預言者イエス」の三位一体のカソリックの教護からみれば、このミステリーは逸脱しているのだろう。
映画にもあったように、スピノザやアイザック・ニュートンのような汎神論の「自然(摂理)」=神 という見方もある。また、イスラムのマホメットと同様に、「キリストは人間で預言者にすぎない」との見方もあろう。
ただし、異教徒は神学論争には、あまり興味がわかない。
ニュートン力学やフィボナッチ数などにみられる自然の摂理を追及したニュートンやダビンチの天才の恩恵を受ける現代の人々が、歴史を訪ねて、キリスト教の対立の歴史をどのように見るかは、重要なことと思う。
現代に、神秘主義ははやらないと思うが、宗教と科学の関係を考えさせられた。
参考:ルーブルに隠された謎
シオン修道会-Wikipedia
   テンプル騎士団-Wikipedia
   テンプル騎士団-千夜千冊
   テンプル騎士団の歴史
   エニグマ解読者が「失われた聖杯」の暗号を遂に解読