放射線量の推移については、定点観測の推移図が見たいが、作成の上公開されているものは少ない。
関東は、運悪く内陸の風が吹いた15日、水素爆発とともに、過去最大の放射線濃度を示したが、遠いことから、健康に影響がでるレベルではなかった。
最近は、北西の風が多く、関東の放射線量は少ない。新宿の屋外で0.2マイクロシーベルト/時 程度である。
「原子炉周辺の放射線量の推移から見て、上空に飛散した放射性物質は、主として使用済み燃料プールからのものと考えられる。蒸気爆発よりも、使用済み燃料プールの火災の影響が大きいのではないか。一方、原子炉下部から水とともに漏出した放射性物質は燃料棒の損傷・溶融によるものであり、格納容器の配管系から漏出したものであり、この放射線量は高い。(政府、東電などの分析報告は、いまだにないので不明であるが、今後の対応を考える上で解明を急ぐ必要がある。)」
福島原発周辺の放射線量
モニタリングカーによる計測がある。
原発正門での計測値は、風向きにもよりますが
1.事故前は1時間当たり0.06マイクロシーベルト(μSv/h)
2、12日:事故後水素爆発が発生。その直後では同8.23μSvを記録。
3、14日:3号機で14日午前11時に発生した水素爆発の直後には同50.387μSv
4.14日:2号機の燃料棒がすべて水面から露出する「空だき状態」になった午後9時37分には同3130μSv
5.15日:午前6時14分に発生した2号機の爆発では、約3時間後の同9時に1時間当たり1万1930μSvまで上がった。
6、15日に、内陸に向かって風が吹いており、関東1都6県で15日、大気中の放射線量が通常の約7~110倍に急上昇した。0.069~1.318μSvと健康に影響ないレベル。
7.水素爆発後には、急上昇後急速に減少。
8.現在は数百μSvで安定的。海側への風向きの日が多く、関東も放射線量は少ない。
NPO法人、環境エネルギー政策研究所による図示。
放射線モニタリングデータ.pdf(2011年3月26日12:00時点まで)
原発正門での計測値の推移
1.トラブル発生前:12日午前0~4時は0.062~0.069μSv/h
2.12日午後3時36分、1号機水素爆発が発生,その直後:8.23μSv/h
3.14日午前11時1分、3号機水素爆発が発生,その直後:50.38μSv/h
4.14日午後9時37分、2号機の燃料棒が露出「空だき状態」:3130μSv/h
5.15日午前6時14分に発生した2号機の爆発では、約3時間後の同9時に1万1930μSv/h
但し、15日の正門での突出した放射線量のピークは1万2千マイクロシーベルトに及んでいるが、これには「Fire near Reactor No.4」と書かれているので、これは4号機の使用済み燃料プール火災によるものだとされている。
今回の放射線量の大きな増加は、主に4号機の使用済み燃料の火災によるものであろうが、このことはあまり報道されていない。また、格納容器の一部損傷にとどまっていることから、上空に放出された放射性物質の量は、主に使用済み燃料プールからであることも報道されていない。
一方、原子炉下部から水とともに漏出した放射性物質は燃料棒の損傷・溶融によるものであり、格納容器の配管系から漏出したものであり、この放射線量は高い。
東京新宿の放射線量の推移(単位:マイクロシーベルト/時)
原子力資料情報室の定点観測値より
1.屋内では、0.06から0,1程度が26日まで継続し比較的安定している。
2.屋外では、3月20日まで0.1程度であったが、21日に0.2程度に上昇し、28日現在まで0.2から0.3が継続している。
3.屋外は屋内の2倍から3倍の値ですが、健康に影響するような値ではなく大丈夫です。
東京の日野でガイガーカウンターで計測した放射線量を公開しているサイトがあります。–>東京の日野の測定値
福島県の放射線量の推移
「黒い雨」で知られるように、風によって運ばれ、雨によって地上に降りて、周辺の放射線量を高め、葉物野菜などを汚染する。
reuniの研究日記で整理されています。
1.福島市は、19日まで10μSv/時を超える状態であったが、19日以降下がってきた。
2.郡山市、白河市、南相馬市、いわき市は5μSv/時以下であった。最近は1から3μSv/時
幼児や妊婦のことを考えると、心配です。専門家の意見は??
武田邦彦氏はホームページで、「福島市においては瞬間的な線量率が1時間に20マイクロシーベルと程度まであがり、現在でも毎時10マイクロシーベルトのレベルにあります。この線量率は、文科省の測定方法を見ると外部被爆だけであって、外部被曝と内部被曝の合計ではないと考えられます。今後、内部被曝などを考えると、毎時数マイクロシーベルトの状態が2、3年は継続すると考えられます。
1時間だけの被曝量を言っても、その人たちは24時間ずっと生活をしているのです。たとえ屋内にいても換気をすればあまり差はありません。
放射線障害防止規則による妊婦の被曝量の限界は毎時約0.5マイクロシーベルトですから、私達専門家は福島県の東部の多くの市町村において、妊婦等の避難を勧告する立場にあるのではないでしょうか。」
と、されています。
(その後の推移)
しかし、福島市の放射線量は、3月31日には2マイクロシーベルトまでに、等比級数的に減少している。この予想は間違いでした。
ほぼヨウ素の放射線量の半減期8日に従って減少している。間違いの原因は、プールからの放射性物質の放出が水位上昇で17日以降急減したことと崩壊・半減の継続による。
ほぼ、物理法則に従って減少中です。
再放出がないことを願っています。
放射線障害防止規則による妊婦の被曝量の限界は毎時約0.5マイクロシーベルトだそうです。
福島県の浜通り、中通りの放射線量は減収傾向にあるとは言え、1から5μSvと高い水準にあり、内部被ばくも考えると、基準に照らして危険か?。
今後長い間(1年以上?)高い線量が予想されるので、避難すべきとなるのではなかろうか?。
何故、妊婦や幼児を避難対象にしないのでしょうか?。
27日12時16分 読売
2号機のタービン建屋地下の水たまりで26日に採取された水から、高濃度の放射性ヨウ素134が検出された。
保安院が27日、発表した。濃度は1立方センチ当たり29億ベクレルで、運転中の原子炉内の水に通常含まれる放射性物質の濃度の約1000万倍(後で訂正)に上る。
表面で計測した放射線量は毎時1000ミリ・シーベルトを超えた。3号機では、24日に作業員3人が被曝した際、同400ミリ・シーベルトだったが、26日は750ミリ・シーベルトに上昇していた。今後の作業への影響が懸念される
(訂正)
福島第1原発2号機タービン建屋地下で見つかった汚染水の放射性物質の濃度について、東京電力が27日昼の会見で「通常の原子炉運転時の冷却水の約1000万倍」と発表するミスがあった。濃度を測定した放射性物質の種類を誤ったのが原因で実際は約10万倍。
東電はいったん、放射性のコバルト56(半減期77日)のデータを、より半減期が短いヨウ素134(同53分)と誤ったと訂正。さらにコバルト56ではなく、セシウム134(同2年)のデータをヨウ素134と誤ったと再訂正した。
原子力安全委は25日夜発表された1号機のデータも誤りとして再測定を指示した
農産品の放射性ヨウ素やセシウムの量が増えている。
風に乗ってやってきたり、雨で降ってきた放射性物質が葉物の野菜に付着している。
どうも測定しているのは、セシウムや放射性ヨウ素である。そして、ヨウ素の半減期は8日、セシウムは30年である。
今回、建屋の水たまりからこれらが大量に原子炉から放出されていることが確認されている。そして、原子炉が損傷しているので、流出が長期にわたって続くことは避けられない。
毎日、一定量の放出があると想定すれば、容易にわかることであるが、これからまだまだ蓄積がすすみ、その減少量が放出量と均衡した頃に、もうこれ以上の放射線が出ないことになろう。
まだまだ、葉物野菜の農業被害は拡大する。そして、長期にわたって、放射線量は減少しないと考えるべきであろう。
減少する時期はいつか。建屋からもう放出が無い状態になった時、言い換えれば建屋がドームやシートで覆えるような安定状況になるまで待たなければいけない。
政府は、3/21、規制値を超える放射性物質が検出された農産物について、福島、茨城、栃木、群馬の4県に対して、原子力災害対策特別措置法に基づいて、県単位で出荷停止を指示した。指示対象になる品目は福島、茨城、栃木、群馬の各県産ホウレンソウ、かき菜と、福島県産の牛乳。出荷停止期間は「当分の間」としている。(2011年3月21日17時20分)
3/20、文部科学省は3/18午前9時から24時間に降った都道府県の雨やちり、ほこりなどを検査した結果を発表。1平方キロ当たりの検出量はヨウ素が
栃木1300メガベクレル、
群馬230メガベクレル
東京51メガベクレル
埼玉64メガベクレル
千葉21メガベクレル
山梨175メガベクレル
栃木と群馬では放射性セシウムも検出されている。(2011.3.20 13:01サンケイ)
既に放射性物質が上空に舞い上がっていて、移動、拡散しつつ降下しているものと見られる。
栃木県は3/20、県産ホウレンソウとかき菜から暫定規制値と同じか上回る数値の放射性物質が検出されたため、それらの出荷自粛と出荷分の自主回収を農業団体に要請した。(2011/03/20-21:15時事)
東京都は3/20、築地市場経由で都内に流通した千葉県旭市産のシュンギクから、暫定規制値の2.15倍にあたる4300ベクレルの放射性ヨウ素を検出したと発表した。(2011年3月20日22時24分朝日)
群馬県は3/20、県内産のホウレンソウとかき菜から国の暫定規制値を超える放射性物質が検出されたと発表した。伊勢崎市産のホウレンソウからは国の暫定規制値を約3割上回る2630ベクレルのヨウ素が検出された。高崎市産のかき菜から見つかったセシウムは555ベクレルと暫定規制値を約1割上回った。(2011/3/20 23:04日経)
文部科学省は28日に23~27日の約95時間の累積放射線量を発表
極めて限定した地域に突出した放射線量が測定された。
人工被ばく年間限度(1ミリシーベルト)を超える地域は5か所
1.北西約30キロの浪江町:1.073ミリシーベルト
2.浪江町の国道399号沿い:4.813ミリシーベルト
3,4.他の2地点は2.460ミリシーベルトと2.237ミリシーベルト
5、北西約32キロの飯舘村:2.95ミリシーベルト
この5地点を除く県内の計測地点の1時間当たりの平均線量は0.0034ミリシーベルト以下である。
28日 時事通信
東電によると、1~3号機のタービン建屋地下の水の放射能は、2号機では運転中の原子炉内の水の約10万倍に上った。東電は排水作業を進め、1号機では小型ポンプで水をくみ取り、発電タービンを回すのに使った蒸気を水に戻す「復水器」に入れている。しかし2、3号機は復水器が満水とみられ、東電は別の排出先を決めた上で排水作業に移る方針だ。
また、使用済み燃料プールについても、海水から真水の注入に切り替える。まず2号機の燃料プールで29日、冷却系配管を通じて真水を注入する予定という。
当面は、注水・冷却。(今後も継続)
〈1〉早急な取り組みが必要な「放射性物質遮蔽」
〈2〉中期的に原発を安定化させる「核燃料棒処理」
〈3〉長期の対策となる「原発廃炉」
〈4〉住民の健康管理など「医療・生活支援」
日米合同の連絡調整会議を創設し、その下に課題ごとの検討・作業チームを新設。
国の原子力安全委員会の耐震設計特別委員長を務める入倉孝次郎京都大名誉教授(強震動地震学)の見解
27日までに取材に応じ、「想定超えは常にあり得るという設計思想が、津波に対しては浸透していなかった。
「地震も津波も同じ自然現象。常に想定を超える可能性がある。機器が水をかぶっても、他に回避する方法があるのが原発の設計思想のはずだ」と指摘。「今回の事態を見ると、今まで言ってきたことは何だったのかという気がする」と悔しがる。
「指針はとても強いもの。書かれると事業者も規制当局も何とかしないといけなくなる。地震と違って過去に津波被害はなく、コンセンサス(合意)を得るのは難しかった」と明かした。
(コメント)
設計通り、停止した!!。良かったが、全電源停止の事態が想定されていなかった。設計の指針と非常時の事故対応、運転管理・復旧対策の問題点も明らかになってきている。
女川原発は、大丈夫でした。(設置する地盤の高さが問題)
福島第1原発が想定した津波は最高約5・7メートル。しかし、実際にやってきた津波は高さ14メートル。これと同程度の津波にもかかわらず、女川原発は、無事停止し、電源停止の事態もなく、安定冷却を続けている。東北電は敷地の体育館に最大で約360人を受け入れ、食事も提供している。
港湾空港技術研究所(神奈川)などの調査では、原発から約7キロ離れた女川町中心部を襲った津波は、原発の敷地の高さと同じ14・8メートル。津波は一部で斜面を超えた可能性もあり、1~3号機のうち最も海に近い2号機の原子炉建屋の地下が浸水したものの、「重要施設に津波は及んでいない」(東北電)という。
東北電力は27日、全電源喪失の事態に備え、電源車を原子炉の緊急炉心冷却系の電池や中央制御室の計測用配電盤につなぎ、急場をしのぐことにした。 このほか、緊急冷却用の海水をくみ上げるポンプの予備モーターを発注した。原子炉建屋内の使用済み核燃料プールに消防車で注水するためのルートも確認。
29日12時35分 読売
29日、3号機に続き、2号機でも空きのあるタンクを総動員した玉突き移送の準備中。
汚染水は、1~3号機のタービン建屋地下1階の床に広範囲に広がっている。
1号機:水深0・4メートル(60mSV/h)
2号機:水深1メートル(1000mSV/h)
3号機:水深1・5メートル(750SV/h)
1号機は復水器に余裕があり、そこに貯蔵できる。しかし、2、3号機の復水器(容量各3000トン)は満杯。汚染水の排水先としてタービンを回した蒸気が冷えてできた水がたまる「復水器」が最適と判断。これらの復水器に汚染水を入れるためには、入っている水をタービン建屋の外にある別のタンク(復水貯蔵タンク)へ移す必要が出てきた。
3号機では28日夕から、この作業がスタート。2号機も同様の作業を準備中だ。東電関係者は「容量に余裕のある複数のタンクを総動員してやりくりするしかない」と。
1.2.3号機のトレンチもほぼ満杯の状況とのこと。作業用トンネル(トレンチ)が、タービン建屋地下と直結しているらしいことが判明。懸命の排水で地下の水位とトレンチの水位がともに下がったが、わずかなもので東電で詳しく確認している。
さらに、2号機では近くのトレンチの水が、地下の汚染水と同様に毎時1000ミリ・シーベルト超の高い放射線を出していることもわかり作業が滞りがちだ
29日の東京株式市場で、東京電力株(東証1部)は前日比130円安の566円。
東電の株式時価総額は約9095億円と、1兆円を割り込んだ。東日本巨大地震前の今月10日時点(3兆4599億円)の3割弱まで減少。
事故の収拾が長期化する懸念や、政府内で東電を一時国有化して再建する案が浮上していることなどが売り材料。
コメント
1.農業被害や避難者への補償問題
2.廃炉・復旧(含む火力発電所被害)コスト
3.激甚災害に対する政府肩代わりの是非
4.停電による2次被害、代替電力・緊急の電力供給。
など 課題は多く不透明
1年前の東電の総資産は13兆2000億円もある。これから、負債を引いた純資産は、2兆5100億円であった。
これに対して、株式時価総額は9100億円である。
純資産は、清算価値とも呼ばれるが、これよりも1兆6100億円も低い時価総額である。
東電が供給責任を果たすためには、地震被害額を補償し、電力設備の復旧(含む廃炉)を行う必要があるが、それに要する費用が、1兆6100億円もかかると市場は見込んでいるのかもしれない。
また、政治家の国有化発言などの風評で、価値が下がってしまったとの見方もある。
いまの行政の混乱が、対応をますます難しくしている。
菅直人首相に対し要望
〈1〉国の責任での事態収束
〈2〉住民の避難先・避難手段の確保など円滑な避難支援〈3〉屋内退避地域に残ることを希望する住民への生活支援
〈4〉避難住民の避難先での生活再建支援
〈5〉避難指示、屋内退避指示を受けた自治体の役場機能の復旧支援
〈6〉環境放射能モニタリングの測定結果・評価結果の速やかな公表
〈7〉原子力災害で損害、風評被害を受けた県民に対する賠償の着実な実施
昨年(2010年)猛暑の影響で、電力会社などが電気を売買する日本卸売電力取引所(JEPX)で、スポット価格が高騰。
2009年に1キロワット時=6~8円程度で推移していたが、2010年は6月に入り、10円を突破し、7月には18円台も記録した。
東電の停電のなかで、電力のスポット価格は、どの程度になるのでしょうか?。リビアの混乱で石油価格も高騰しているので、考えるだに、恐ろしい!
猛暑が来ないよう、神頼みか?
需要の平準化、LNG・火力、民間の自家発電・売電も含め知恵が必要
東電は発行している約5兆円(10年12月末)に上る社債を発行している。
一方、東電の株価は、以前の2割に低下し、マーケットは債務超過の事態を織り込みつつある。
このため、社債の価値も大きく下落しかねず、金融市場が混乱する懸念もある。
震災前は日本国債の利回りに0.1%程度の上乗せスプレッドで取引されていた東電社債は、25日時点では上乗せスプレッドが0.67%程度と6倍以上に拡大している。バンクオブメリルリンチのデータによると、7つの東電の社債は最低でも価格が5.64%下落した
31日09時54分 読売はニュースで「東京電力に国有化案、その行方は?」と報道。
東電の株価は、1962年12月28日(499円)以来、約48年ぶり。東日本巨大地震の前日の10日には終値で2153円あった株価は、わずか約3週間で旧商法時代の額面価格である500円も下回って下落し、1951年に付けた上場来安値(393円)に近づいている。
この結果、東電の株式時価総額は、10日時点の3兆4599億円から、30日は7488億円まで縮小。企業価値が8割近く失われた計算
3月26日 原子力資料情報室 記者会見
1、25日保安院はようやく炉の損傷を認め始めた。理由は、建屋の水たまりでの被爆。
2.1号、3号で世界初の冷却材喪失事故が起きているのではないか?
3.最大の恐れられている事故であった。
4.2号機は地下20mの圧力抑制室あたりで漏れて爆発している。1、3号機は上部で水素爆発。
5.もうひとつの想定は、再循環配管系の破損がありうる。配管損傷により、冷却材が噴出し格納容器の圧力が一挙に上昇(8気圧!まで)、一挙に水位低下。水素発生が起り爆発する。裏付けは官邸データである。このタイプを冷却材喪失事故という。データから1号機は、地震直後に配管が壊れていると考えられる。11日16時36分(事故発生14時46分の2時間後)に炉心冷却装置注水不能と書かれている。最大の緊急状態であった。この時点で、熱暴走の事故回避のため避難命令をだすべきだったのでは??。当然この後、地震発生1日後に水素爆発発生。
6.水を入れても漏れてしまう。漏れた配管はなおせない。漏れながら注水を続けるしかない。
7.24日1号機が危ないとの見解があったが、これは圧力容器底から溶融物が格納容器に落ちる事態、圧力容器外側表面温度400度でも圧力がほぼ零なので、圧力による破壊はない。冷却のために圧力容器への注水量を増やすしかないが、圧力容器から汚染水が流出する。
「福島第1原発の1〜3号機では、原子炉の危機的な状況が継続しています。東京電力公表の事故の初期データの解析から、第一原発1号機で大口径配管の破断事故発生の可能性のあることが明らかになりました。」としている。
(コメント)
圧力容器にあるべき水が漏洩し、地下の汚染水として流出。これは、注水が続く限り止まらない。このことが「政府の言う原子炉損傷」か。
16日10μSv/時以下になった福島氏の放射線量は、4月1日の日経の朝刊では、2μSv/時に減少。
等比級数的に減少している。この事実は
1.主な発生源と思えるプールの冷却によって放出される物質が、16日以降減少した。
2.ヨウ素の半減期は8日であるので、2週間で1/4になるが、現在1/5に減っている。
安定冷却が続けば、早期に平常に近づくものと期待できる。
妊婦も安心できるようになる0.5μSv/時も近い。あと2週間か。
格付け会社ムーディーズ・ジャパンは31日、東京電力の格付けを現在の「A1」から3段階引き下げて「Baa1」にしたと発表.
事故で原子炉の廃棄や代替電力の調達、新たな発電設備の建設などに膨大な費用がかかるため、東電の借入金依存度がさらに高まるとしている。
大気への飛散対策
1、1~4号機の建物内に付着している放射性物質に、特別な塗料を吹き付けて、閉じこめる。
2.原子炉建屋の上部を失っている1、3、4号機の壊れた部分を、特殊な布製の仮設建屋で覆う。密閉すると再び水素爆発が起きる危険性が出てくるため、フィルター付きの換気設備を取り付けることも検討している
3月30日3時3分 朝日新聞
(コメント)予想通りの案がでてきた。これで避難地域の早期解除を期待したい。周辺は、冷却の安定運転が前提か?。避難+広域汚染水+農業被害にたいしては、炉心からの水漏れよりも急がれる対策と言えよう。
3月15日に、大気中への大量の放射性物質の放出があった。東京都健康安全センターのデータによれば、3月15日午前10時頃と午後7時頃に、桁違いに放射線量が急増し、すぐに減衰した。その後、都内では、0.5μGy/h(マイクログレイパーアワー)に下がって、安定している。風によって運ばれ降下したのか3月21日に0.15μGy/hに上昇したが、約8日という沃素131の半減期に従って徐々に減っていき、4月1日に0.1μGy/hを切ることとなった。
このことからも、3月15日から数日で放出が収まって現在に至っていることがわかる。15日に、内陸に向かって風が吹いており、関東1都6県で15日、大気中の放射線量が通常の約7~110倍に急上昇した。
何故3月15日に2度の大放出があったかについては、よくわかっていない。
1.2号機では、14日の午後6時半から2時間20分ほど、燃料棒が冷却水面から完全に露出した状態となっていた。その後、冷却用の海水の注入が進み、水位が回復したものの、炉内の蒸気を逃がす弁が閉じてしまい、圧力が高まったことから注水が出来なくなった。同日午後11時過ぎ、燃料棒は再び完全に露出した。
2.東京電力は、15日午前3時現在、福島第1原子力発電所2号機の原子炉内に燃料棒は露出した状態となっている可能性があると発表。記者会見で、圧力容器内の水位の回復は確認できていないと述べた。そのため、燃料棒は冷却水から露出した状態のままと考えられると語った
3.3月15日 6時頃 大きな爆発音、その後4号機5階屋根に損傷。( 福島1-2で爆発音とも報道、じつは4号機?)約3時間後の同9時に1万1930μSv/hの値を示した。(この時の4号機燃料プールの火災と爆発で、大量に放出か?(1回目のピーク)
蒸気が大量に発生し空に登ったものであろう。
3.2号機は、15日午前1時過ぎに弁を開くことができ、炉内の圧力が下がったことから、海水の注入が出来るようになった。(この時に、放出があったか??:2回目のピーク)
これで2回のピークが説明できる。
4号機は、15日午前6時ごろに大きな音が発生した。東京電力が確認したところ、原子炉建屋の5階屋根付近に損傷がみられた。さらに午前9時38分ごろ、原子炉建屋4階北西部付近で出火を確認。正午前までに鎮火した。
この時、大量の放射性物質の放出が発生いたのであろう。
(コメント)
4号機は火災と鎮火の報道のみで、爆発報道は遅れた。火災が発生した4階付近には、原子炉の出力を調整する再循環ポンプ用の電源装置があり、モーターに潤滑油が使われているから・・などの報道であったが、事実はプールが空になって燃料の損傷による水素爆発であったのであろう。
3号機建屋付近で15日、検出された400ミリシーベルト(40万マイクロシーベルト)の非常に高い放射線量について、東京電力は同日、「水素爆発で飛び散った3号機原子炉建屋の残骸や、使用済み 燃料プールの水など高濃度の放射性物質が原因となった可能性が高い」としたが????
米原子力規制委員会(NRC)はこの説を採っていない。4月12日付けニューヨークタイムズ「Japan’s Reactors Still‘Not Stable,’ U.S. Regulator Says」が報道していた。発生源は使用済み燃料プールとしている。
これは、放射線量の推移と4号機火災の関係からも伺える。ヤツコ氏は水曜日に、原子炉建屋の爆発をおこした水素は、建屋内にある使用済み燃料プール火災から発生していたかもしれないと述べている。
文部科学省は5月14日、福島第一原発から29~33キロ離れた5地点の積算放射線量を発表した。
最も多かったのは、福島県浪江町赤宇木、計画的避難区域で3月23日~5月13日の積算放射線量は2万9070マイクロ・シーベルト(29.07ミリ・シーベルト)。
2011年10月2日のニュース
東京電力が社内に設置した「福島原子力事故調査委員会」(委員長=山崎雅男副社長)の中間報告案の詳細によれば。
2号機で水素爆発があったとする従来の見解を覆し、爆発はなかったと結論付けた。事故を招いた津波について「想定できなかった」と釈明し、初期対応の遅れについても、「やむを得なかった」との見解を示している。
15日早朝、爆発音が響き、4号機の建屋の損傷が確認された。爆発音の直後に2号機の格納容器下部の圧力抑制室の圧力が急落したため、東電は2、4号機でほぼ同時に爆発が起きたとし、政府も6月、国際原子力機関(IAEA)に同様の報告をしていた。
2号機圧力抑制室で爆発とされていたが、実際は4号機の爆発が起きていたということ
やはり、3月15日の爆発音は4号機であったということになる。同日の放射線量の急増は、4号機ということになるが????
15日の4号機の爆発の場所、同日の放射線量の急増の原因など 説明されていない?
3月15日が放射線量が大量に放出された日である。
東京電力関係者『4号機の原子炉建屋はわずかの余震で、完全に倒壊する可能性が高い。そうなれば、燃料プールが崩壊し東日本全体に深刻な影響を与える』
『「鉄骨で補強作業中」とのことだが、「あの程度の補強では全然足りない」』
4号機の燃料プールから未使用の核燃料を取り出したところ、表面から毎時4ミリシーベルトの放射線量を計測した。通常は50マイクロシーベルト程度なので100倍近い値だ。東電は爆発でプールに落ちたがれきに付着した放射性物質で汚染されたとし、燃料自体の損傷ではないと説明するが・・・・・、
今後の作業は慎重に進めざるを得ない。
東京電力は10月25日、福島第2原発(福島県楢葉町、富岡町)4号機の原子炉から全764体の燃料集合体を取り出す作業を24日に終えたと発表した。
燃料集合体は使用済み核燃料プールに移された。
昨年3月の東日本大震災による原子炉内の損傷の有無などを調べる。東電は1~3号機の原子炉にある燃料集合体(各764体)も取り出す予定。
福島第一原発4号基では、原子炉の炉心が格納容器からそっくり取り出され、現在使用済み核燃料プールの中に置かれている。
そしてその外側にある原子炉建屋は、まず2011年3月11日に発生した地震そのものによる損傷を受け、さらに爆発による損傷も受けている。これが現在、世界の専門家たちが、この先一体どうなるのか、4号機に注目している理由です。
使用済み燃料の束は、空中に出れば、自然発火する
使用済燃料に関する第一人者である米政策研究所のロバート・アルバレス氏は、4号機の使用済み燃料プールには、チェルノブイリ事故により放出されたものの10倍にも上るセシウム137(Cs-137)が含まれている、もし地震等により、プールの底が抜け、または4号機の原子炉建屋が倒壊した場合、プールの冷却水が全て流出し、高濃度の核廃棄物が短時間のうちに発火しうることを指摘しています
安定給水できる所、倒壊リスクのない所に保管施設を確保することが緊急の課題ですが、遅れている.