福島原発その2:スリーマイル、チェルノブイリとの違い

チェルノブイリのようになるとか、スリーマイルよりも酷いなどいろいろな見解が報道されている。
3つの原発事故の違いを見れば、必要な対策も見えてくるので要する。
違いは、事故の結果と原因をみればよくわかる。
「チェルノブイリのような、核爆発と上昇気流の発生は、ありえない」との見方が主な科学技術者の意見です。福島第1は停止しており、溶融や水蒸気爆発があっても、最悪事態でも、避難エリアが拡大するかもしれませんが、首都圏まで、大量の放射性物質がやってくる事態はないでしょう。
事故の原因は、スリーマイル、チェルノブイリともに、作業員の操作ミスによるところが大きい。
福島原発も他の2つの事故も原発施設の外に放射性物質を漏洩させている。今のところ、福島原発からの放射線物質の漏洩はそれほど大きく無いが、漏洩を止められない状態にある。格納容器が一部破損して外部に水や蒸気とともに少しずつ出ている状況である。津波で電力供給がストップし、補助冷却装置も緊急冷却装置も動かない状況で、1週間後の現在もポンプ車による注水を継続している。
スリーマイル島事故は、原子炉は福島同様に緊急停止した。蒸気を水に戻す復水器の配管が目詰まりを起こし、主冷却水の給水ポンプが自動的に止った。同時に、設計した通りに原子炉が緊急停止した。その後補助冷却系が作動しなかった。しかし、幸い緊急炉心冷却装置を動いたが、満水前に作業員が過剰給水を恐れて停止したために、空炊きになり、メルトダウンが起きた。炉心が溶けだして燃料の45%に相当する62tが原子炉圧力容器の底に溜まった。圧力を下げるために「圧力逃がし弁」が自動的に開き、ここから放射性物質が外部に漏れだした。幸いなことに運転員による給水回復措置が功を奏し、再臨界による爆発は起きていない。事態が終息したのは緊急冷却装置のおかげである。
チェルノブイリ原発事故は、検査と燃料交換のためにいったん停止させるのを機に、ある実験が行われようとしていた際の事故である。実験中出力が下がりすぎたため、運転員は、核反応を抑えている制御棒を手動で次々に引き抜いて出力を上げようとした。逆に出力が急上昇しはじめた。緊急停止ボタンを押したが止まらない。あわてて制御棒を下げはじめたところで原発は暴走をはじめ、大爆発を起こし、火柱が夜空高く立ち上った。広島級原爆500個分もの放射性物質が飛び散り、風やジェット気流に乗って予想をはるかに超える広い範囲に広がった。汚染はロシア西部にかけて、101万1000km2と日本の面積の2.7倍に及んだ。人体に危険なレベルの汚染地帯は4100km2と、東京都のほぼ2倍になった。チェルノブイリの原子炉では核分裂反応の主要部分である中性子の速度を落とすために炭素が使用されていた。チェルノブイリの事故では、この炭素に引火し放射性煤煙が生じて、それが風に乗って遠くまで運ばれた。
福島原発では、水が使われているので、煤煙による上昇気流は発生しないので、遠くまで運ばれるリスクは少ない。

福島原発との違い
福島原発は、ポンプ車給水に頼らざるを得なくなっており、対策面ではスリーマイルのように緊急炉心冷却装置に頼れないという困難がある。燃料棒の損傷は発生しているが、注水によって溶融による大爆発の事態は避けられている。炉が停止し、その後、燃料棒の水面上への露出が続き、崩壊熱が蓄積・高温となった場合、何が起きるかは過去に例がない。注水を継続し、炉心溶融による水蒸気爆発、再臨界などの事態は避けなければならない。
以上、要すれば
1.スリーマイル島事故は、停止後の再臨界なしのメルトダウン事故である。
2.チェルノブイリは、停止せず暴走大爆発事故である。
3.福島原発は、現時点では停止後の水素爆発による放射性物質漏洩事故である。放射性ヨウ素の放出量は莫大であろうが??
福島原発は、停止しているが、予断を許さない状況であろう。対策の失敗も無かったとはいえないかもしれない。英雄的努力が続いている最中に、問題を指摘してもはじまらないが、これからの対策への期待は、下記の通り。
福島原発の対策:熱崩壊との長期戦
1.現在、分裂後の放射性物質の崩壊熱との戦いが続いている。最重要は、圧力容器や格納容器への注水継続であるが、最近はプールへの注水や放射能濃度の影に隠れて、報道すらされない。(プールへの放水と炉への注水が重要?)
2.1日も早く、緊急冷却装置を作動させること(何故電力供給に1週間もかかる?多分、突貫工事でも1週間)
3.各原子炉の冷却プール内使用済み燃料の量など公開し、プール内の水位低下から予想できる蒸発量/日と必要注水量を計算し、ポンプ車の注水を急ぐこと。
崩壊熱は等比級数で減少していくが、長い期間崩壊がつづく。初期の蒸発量は莫大である。(何故、1週間後になって、急にヘリやポンプ車の総動員を始めたか?)
3.下部の外壁と格納容器で守られ、炉外にわずかづつ放射性物質が出ている限り、広域の放射能は上がらないし、風向き次第であろう。爆発で格納容器や下部外壁が壊れれば、突然一挙に放射能が増えるような性格の事故であろう。
4.いまだに、2つの炉の使用済み核燃料プールの状態が不明と報道されている。(1週間経ても不明?)
疑問は、疑心や風評を生みだす。
初動対策の謎:逃がし弁の謎
緊急停止後の3月12日3時12分に東電は、圧力急上昇を避け炉内注水を進めるため、弁を開くと発表している。ずいぶん遅れて、9時11分に保安院が第1第2号機の格納容器内蒸気を逃がす弁の開放を指示している。すぐ開放しないと爆発の危険があったにもかかわらず、放射性物資を外部に出すことになる(避難命令を出す)のを恐れて、対策が遅れている。スリーマイルでは、すぐに圧力にがし弁が開いて注水し事なきを得ている。
福島原発では、弁の開放遅れによる注水の遅れと格納容器の破損、漏洩が起こってしまった。
炉の安全管理は、「弁を開くので避難が必要」と言い、「待て待て、慎重に事態を見極め指示する」といった対話で決めるものではなかろう。伺い指示を待つのではなく、科学技術的に定められた通り、すぐに弁開放・注水すべきであったと思う。これは、科学技術(の手順)を無視した痛恨の遅れかもしれない。政治と行政が、科学技術尊重しないと、エンジニアリングは成り立たない。
日本のエンジニアリングの信頼が揺るがないことを祈っている。

56 thoughts on “福島原発その2:スリーマイル、チェルノブイリとの違い

  1. 報道の問題

    「県外の放射能は人体に影響を与えるレベルではないと言い続けている。」
    また、放射能物質が格納容器からガスや水蒸気といっしょに漏洩しているが、「大量に漏洩する可能性はない」などと言っている。何故、はっきりと「漏洩している。だから、避難しましょう。炉は破損しなければ漏洩は少ない。」と言わないのか??
    なぜ、「炉への注水で燃料棒は露出せず圧力も設計基準内であり、炉心溶融や爆発による炉の破損のリスクはほとんどない」と言えないのか?

  2. 燃料棒の水位の報道が何故ない?

    16日の報道以降、放水のニュースばかりで、放送局は肝心の燃料棒の水位と福島70人の英雄的活動の報道がみつからない。もしかしたら??????
    70人体制 16日時点で第1原発に残っているのは東電社員や協力企業社員ら約70人。1号機の北側約300メートルにある免震重要棟内の緊急事態対策本部にいて、1~3号機の圧力容器内の水位を維持するための注水を監視している。
    16日には毎時10ミリシーベルトの放射線量を計測。屋外で10時間作業しただけで、放射線作業従事者が緊急時にのみ許容されている年間被ばく量に達してしまう。。
     東電は再び電力が供給されて大量の高圧注水ができるようになるまで、なんとか1~3号機の水位を維持したい考えだが、既に作業員から多くの被ばく者が出ている。海水をくみ上げるポンプ車に付き切りで管理することは困難だ。
     また圧力容器内の水位などのデータも定期的に監視しなければならないが、建屋の中にある中央制御室は放射線量がより高い
    東京電力は16日午前、福島第1原発4号機のプールに貯蔵されている使用済み核燃料について、「再臨界の可能性がゼロではない」との見方を示し、臨界防止のために、ヘリコプターでホウ酸の散布を検討していることを明らかにした。
    3月16日(水)11時36分配信
    枝野氏、福島原発3号機「格納容器から水蒸気」 格納容器損傷か
    3月15日(火)16時31分配信
    経済産業省原子力安全・保安院によると、福島第1原発は1~3号機とも、原子炉圧力容器への海水注入が続いている。東電は水位が上がらない理由として「水漏れも可能性の一つとして否定できない」との見方を示した。
    同原発では15日朝、2号機の格納容器に接続している圧力抑制室付近で爆発があり、一部が破損しているとみられている。

  3. 情報開示

    チェルノブイリは国際連合(UN)によると、予期しない運転出力の急上昇により蒸気爆発を起こし、原子炉の蓋が破損。その結果、溶融した燃料と蒸気が反応してさらに激しい爆発が起こり、炉心も溶融、建屋もろとも爆発炎上。チェルノブイリは格納容器が無い設計だった。放射性物質は格納容器のない原子炉構造と黒鉛の火災が原因で上空に舞い上がった。
    スリーマイルでは、事故3日目までに公開した情報のほとんどが不正確だった。燃料溶融の状況や1日目に炉内で発生した水素爆発の事実すら、何年もの間公表されず、情報がまったく闇に葬られていた。
    スリーマイルの事故当時は、原子炉を冷やして安定化させる作業が行き詰まっていても、当局側は国民に対して「危険は過ぎ去った」と説明するだけだった。チェルノブイリでも情報はほとんど開示されていない。

  4. 燃料棒の水位

    今日19日の昼現在、燃料棒水位は依然低い状態と報道されている。注水活動は継続中の模様か。何故、放水(使用済み燃料保管プールへの)のニュースばかりか注目するのか。

  5. プルサーマル発電

    3月19日12時18分:中部電力は18日、2015年の着工を目指していた浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)6号機の建設計画を延期する方針を固めた。ウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料を使用したプルサーマル発電も当面、実施しない考え。

  6. プルサーマル発電

    11日付の米紙「ニューヨークタイムズ」は、懸念材料としていち早く「日本の原発の中にはMOX燃料を使用しているものがある。今回の原子炉がこのタイプであれば、放出する蒸気はより有害なものになる可能性がある」と指摘していた.
    三号機は、「水素爆発」で爆発炎上。三号機は、「水素爆発」で、爆発炎上。読売CIA新聞は、「中性子線検出」のニュースを流しています。
    (3号機の)プルサーマルは炉心の中に燃料集合体が数百本あるが、その3分の1にMOX燃料というプルサーマルを最初から混ぜたものを使っている。1、2号機はプルサーマルじゃないが実は運転している間に自然にプルトニウムが溜まっていく。最初からプルトニウムを入れたのがプルサーマル。

  7. プルサーマル発電

    3号機は日本で4機稼動していたプルトニウムを含有するMOX燃料を使用するプルサーマル発電機のひとつであり、1号機に比して発電量も大きいが、炉心融溶の危険度も高いことが指摘されている。
    参考:NPO法人原子力資料情報室
    http://www.cnic.jp/modules/news/article.php?storyid=1012
    MOX燃料の燃料棒に蓄えられている熱は、低濃縮燃料の場合よりも大きい。MOX燃料の中央線の温度と蓄えられたエネルギーとが通常のウラン燃料よりも大きいため、冷却材喪失事故の初期段階における燃料棒の被覆管の温度の上昇と、被覆管の酸化率が、ウラン燃料よりも大きくなる可能性がある。

  8. 3号機

    何故3号機ばかり、放水を優先させているか。洗い流すためか。
    16日午前の会見で、3号機の格納容器が新たに損傷した可能性があることを明らかにしたうえで、慎重に作業を進めていることを強調。
    枝野官房長官:「(Q.3号機でも格納容器が破損して、外部に放射性物質が漏れ出している可能性があるのか)水蒸気は上がっていますから、従ってそこから放射性物質が外に出るということは、より悪い状態を作らないためにやむを得ない措置として、これは続けてきております。そうしたなかで、それ以外の部分からも出ている可能性が、今回生じていると」

  9. 3号機の爆発

    プルサーマル燃料の3号機
    3号機の爆発は、炎が見えて煙が黒く高く上っており、1号機の爆発よりも規模が大きい。
    放射性物質を含んだ雲の多くは海側に流れており、陸地で現在測定されている放射線量は、正しいデータを反映しているとは限らない。
    1号機より3号機の方が危険な状態にあると考えられる。1号機は格納容器などが健全で、周囲の放射線量は上がっていない。3号機は圧力容器内に水を入れたが水位が上がっておらず、もともと原子炉格納容器が損傷していないか心配だ。黒い煙の中に放射性物質が含まれている可能性もある。

  10. 水素爆発と格納容器

    米ニューヨーク・タイムズは、米原子力委員会の専門家が1972年、この原子炉は水素がたまって爆発した場合、放射能を封じる格納容器が損傷しやすいため、「使用を停止すべき」と指摘した、と報じた。
    今回、事故を起こしたのは「マーク1」という沸騰水型原子炉の一種で、60年代にGEが開発した。中心の燃料棒を圧力容器、さらにその外側をフラスコ状の格納容器で守っている。格納容器が小さく、設備建設費が安く済むため、計104基の原子炉が稼働している米国では同型の炉が23基も稼働している。米国外にも9基あり、計32基が現在も運転中だが、格納容器が小さいゆえに、水素爆発で損傷するリスクが高いという。

  11. プルトニウム

    プルトニウムの微細粉末は、鉛の約2倍の比重の、重金属です。
    圧力容器の爆発か、核爆発でない限り、はるか遠く(100キロ圏)には飛散しない。飛散区域は、不規則で予測が難しい大気の流れと気流の強さによります。
    飛散し風で運ばれなければ100キロ圏は安全か?
    原発から10キロ圏が、強い100ミリシーベルト/時とすれば、20キロ圏は1/4の25ミリ、30キロ圏は1/9の11ミリシーベルトに減ります。100キロ圏は1万分の1の、10マイクロ・
    シーベルトです。この程度なら、全く問題にはならない

  12. 3号機へ放水

    プールに使用済み燃料をぎっしり詰め込めば、水がプールからなくなったら火事になる可能性は非常に高くなります。
    上昇する水蒸気で運ばれるので、早くプールを満水にすべき。4号機も同様。
    水蒸気が出ているから冷却効果があったのも事実であろうが、燃料の露出が問題。

  13. 津波で冷却系電源破壊

    平成十八年三月一日の国会で指摘あった。
    吉井英勝衆院議員の質問
    「原子炉停止に時間がおくれ、崩壊熱除去の取水槽の水量が不足してしまったとき、崩壊熱が除去できなければ、これは炉心溶融であるとか水蒸気爆発であるとか水素爆発であるとか、要するに、どんな場合にもチェルノブイリに近いことを想定して対策をきちんきちんととらなければいけない」
    答え
    「原子炉隔離時冷却系のポンプを動かすタービンで補助原子炉隔離時冷却系を作動させるということになっております。」
    吉井
    「とめてからも、その冷却をする冷却系が喪失するというのが、津波による問題です。ポンプ機能そのものが失われるということも考えなきゃいけない。」
    答え
    「バーンアウト等で燃料が破損する、放射能が外部に放出されるというような事態に対してどう考えているかというお話でございますが、これにつきましては、まず、そういう事態になったときに大きな事故に至らないかどうかを設計の段階、最初の基本設計段階で安全評価をして、安全評価の結果、そういう事態に至らないようにまず確認するというのが一番の基本でございます。」
    「最近、耐震安全に係る指針を改定いたしました。そういうことで、さらに耐震設計を基本的には厳しくしていきたい、こう考えております」
    このように、設計や基準の問題としてとらえているのが間違い。冷却機能停止後の注水対策を確立するとの視点がない。
    このようなスタンスだから「想定外の地震と津波による困難」と答えて、「対策不足は想定外だから当然なかった」としている。
    何故、村に消防隊があるのかわかっていない。

  14. 上空の放射線濃度

    自衛隊による空中からの散水によって、福島原発上空の放射線濃度が明らかになった。原発上空高度90メートルの放射線濃度は、
    87.7ミリマイクロシーベルト/時=8.77万マイクロシーベルト/時
    であり、極めて高濃度の放射能が放出されている。
    現在まで西風や北北西の風のおかげで、東北地域の濃度は低い。しかし、近くの茨城などに北北西の風で運ばれたものと考えられる。

  15. 使用済燃料と注水

    1号炉  292本  6万キロcal
    2号炉  587本 40万キロcal
    3号炉  514本 20万キロcal
    4号炉 1331本 200万キロcal
    3,4号炉の燃料は、露出損傷の疑い
    1,2号炉の燃料は、状態不明
    3号機に連続放水
    本格的な放水が20日午前3時40分に終了した。19日午後2時すぎに始まり、約13時間半にわたって連続して行われた。2400トン以上の海水が放たれた計算だ。
    4号機プールの核燃料、発熱突出 まだ使用途中の燃料もある。強連続放水の予定。
    東京電力は18日、福島第一原発1~6号機(福島県)の使用済み核燃料貯蔵プールの保管状況を公表した。全基のプールにある核燃料集合体は計4546本。建屋で火災が起きた4号機のプールにある核燃料の発熱量がとくに大きいことが明らかになった。プールに水を補給する冷却システムが働かず、燃料の熱で水が蒸発し、過熱した燃料が損傷する恐れがある。
    19日 16時51分NHK
    5号機と6号機では、これまで十分な電源が確保できず、使用済み燃料プールの水温が上昇していましたが、19日、新たに1台の非常用の発電機が使えるようになったことで、5号機の冷却用のポンプ1台が起動し、燃料プールの水温は徐々に下がり始めています
    20日(日)8時7分FNN
    福島第1原発2号機の電源復旧作業が、最終段階に入っている。外部電源のケーブルを建屋付近に引き込むところまで、なんとかこぎ着けたものの、電気を通すポンプなどの機器は津波などによる損傷も大きく、電源を入れ、正常に作動するかどうかは未知数となっている。20日中に2号機への通電ができるかどうか、注目されている

  16. 使用済燃料と注水

    3、4号機では水素爆発などで建屋が大きく損傷してる。圧力容器や格納容器、原子炉建屋など複数の「壁」に守れた原子炉とは違い、燃料プールは外部放出への備えが弱い
    3、4号機では、貯蔵燃料の一部が水面に露出し、1300度前後の高温になっているとみられる。火鉢の炭に水をぶっかけるようなもので、大量の放射性物質が水蒸気とともに拡散する恐れもある。
    一度プールを冠水させたとしても、使用済み燃料が発熱して水が蒸発するので、失われた分の水を補給し続ける必要がある

  17. 輻射熱測定

    北沢俊美防衛相は19日の記者会見で、同日朝に実施したサーモグラフィーを搭載した陸上自衛隊CH47ヘリコプターによる福島第1原発の原子炉の温度変化について、「1号機から4号機は100度以下だった」と述べた。

  18. 4号機放水

    3月20日 8時38分
    政府の対策本部の要請を受けて、放水活動を行うことを決め、現地に展開した消防車が、午前8時20分から放水を始めました。20日は、自衛隊の消防車10台に、東京電力が在日アメリカ軍から借り受けた消防車1台も加わり、あわせて11台の態勢で80トンの水を放水する計画で、水を建屋の内部に届かせるため、火災などで損傷した屋根や壁の穴に向けて放水
    放水は午前中には終了し、その後、東京電力による外部電源の復旧工事が行われる予定

  19. 外国特派員協会記者会見

    福島第1について、石川先生のお話です。日本原子力技術協会元理事長の石川迪夫氏が外国特派員協会で記者会見3/18
    1.常陸那珂より来て、石川先生が、会見。外国の方も参加。
    2.東電北村さんの状況報告
    ・建屋の破損状況の紹介のみ
    3.スリーマイルの炉心
    水面上の燃料が崩落
    融けた燃料が炉心の下に固まった。
    下に健全な燃料体が残った
    4.福島第1の炉心状況:推測
    ・1m以上水面上に炉心が出ている
    ・しかし放射能濃度は高くない
    ・海水投入直後に濃度up
    ・上の方が高温になる
    ・参加ジルコロイドができ皮膜ができる発熱反応がおこる。
    ・内部ウランの酸素を取って酸化する
    ・被覆膜がペレットをラップで覆った状況になる。
    ・被覆膜はタフなのでその状態で直立
    ・冷たい水が注入されると被覆膜と燃料がボロボロに崩れ水中にいる。
    ・水にいるとある程度冷える。
    ・水の中の燃料がたまると蒸気がでてくれない
    ・水蒸気とジルカロイドの発熱反応が起きる
    ・溶融といっても、上部に燃料が残り、下に溶融物が残る。
    ・現在、海水が注入され、発熱と蒸発・冷却がバランスしている。
    ・炉心の下に水があり、上からの水が蒸発している状況。
    ・TMR(スリーマイル)では、完全に冷やすには1週間以上、1か月かかって安定宣言。
    ・小康状態か否かは、わからないが、安定させるには電源が必要。
    ・BWRの炉心はTMIとことなり、上部に構造物がいっぱいある。
    ・現在、どうなるかは、判断が難しい。
    ・早く電源を確保して冷やしたい。
    5.福島の格納容器
    ・燃料プールの冷却が停止。4号炉のプールの場合、2000KWH、1時間に4m^3の蒸発。
    ・崩壊熱:停止直後は運転出力の7%、現在は0.1%程度か
    ・700KWの3倍2000KWぐらいの熱が出ている。
    ・現在3号炉に水を入れている。
    ・容器の外の使用済み燃料が高温になると大変。電源復旧で注水・冷却が必要
    6.質疑
    ・TMIから類推できる炉心状況を述べた。3,4号機については、理由がわからない。
    ・電源がきたのち、安定状態になるのは1週間。(変わった事態がなければ)
    ・ガレキの山、放射線で作業が難航中。
    ・最悪は炉心が溶融すれば2300度Cになれば、コンクリートの溶融点と同じ。チャイナシンドロームは起きない。火災がチェルノブイリにはあった。高温燃料は、火災の炎冷やされていた。底の3mのコンクリートが抜けて、140m溶融物が流れた。
    最悪の場合、コンクリートが抜けなければ良い。
    そして気体になって上る。気体の危険性は、TMIの被爆が参考になる。近くの人が100ミリレントゲンの被爆か。
    チェルノブイリは3万人?が1000倍から10000倍の被爆。
    TMIでは容器が壊れなかったのが幸いした
    ・水素爆発
    爆発では、水蒸気爆発よりも厳しい。水蒸気爆発はなかなか起こらないと思う。
    ・燃料の気泡が、水素量が少なかったので、建屋の破壊はマイルド。
    ・水素爆発は急激な放射能の上昇を起こすが、すぐに3ケタダウンする。予断を許さないので注目している。

  20. 外国特派員協会記者会見2

    質門:石川先生が若いとして、東京を離れますか。
    答え:いいえ離れません。家族も東海村、筑波などにおりますが避難はしていないし、わかいころ自分はもっとレベルが高い場所での経験があるがこのように元気です。
    質問:電源の復旧遅れは不手際か
    答え:真っ暗ななかで電源確保の努力をしても、現在の状況と理解している。
    質問:MOXについて
    答え:1号機も3号機も損傷の危険は同じ。燃料について心配しているのは事実。
    質問:最悪の事態
    答え:火災によって上昇したチェルノブイリでも300KMの被害。私自身は、チェルノブイリのような事態はないと考えている。動かないし、東海村の家族もそうでしょう。

  21. 3号機圧力上昇

    東京電力は20日、福島第一原子力発電所3号機の原子炉格納容器の圧力が再び上昇を始めたとして、
    格納容器内の蒸気を外部に放出して圧力を下げる操作を再度行うと発表した。
    圧力は同日午前1時10分には約2・8気圧だったが、同4時30分には約3・4気圧になった。
    現在、所内で行われている電源の復旧作業や放水作業などは中断する。
    3号機は13日午前8時41分から蒸気を放出する弁を開けたままで、圧力が再び上昇した理由は不明。
    この弁が閉じてしまっている可能性があるため、復旧作業員などが退避した後、弁を開ける操作を試みる。

  22. 1週間で安定冷却:TMI

    TMI炉心は、1週間後安定冷却に成功した。安定電源の確保と炉心冷却装置の稼働で福島も成功するか?。
    TMIと福島の相違点は、一つは、福島はBWRであるため炉心上部に汽水分離器という構造物があることだ。この構造が、炉心の蒸気を圧力容器上部に抜け出すうえでの抵抗として働き、蒸気を炉心に留めるので海水が入り難くなる。TMIに較べて、BWRは溶融炉心を冷却しにくい面がある

  23. 下部外壁の状況不明?

    原子炉のどれかから、放射能物質が大量に出れば、放射線量があがり、周辺が危険になり作業ができなく周辺地域が危険になる状況か?
    2号機の場合「圧力容器は鋼鉄の鍛造材で厚さは約16センチ。2号機の格納容器は3層構造で、一番内側に鍛造材で厚さ3センチの内壁があり、その外側の外壁が鉄筋コンクリート製で厚さ200センチあります。その外に遮蔽外壁があり、これも鉄筋コンクリート製で厚さ100センチです。」
    原発技術者の中には、2号機で起きた圧力抑制室の損傷原因が、「炉心溶融による水蒸気爆発が原因ではないか」との見方もある。だとすれば、すでに2号機は「最後の砦」ともいえる格納容器内のプールで反応が止まって最悪の事態(放射性物質の拡散)を避けられたか?。(週間ポスト)
    使用済み燃料プールに放水車で水を注入するには上部外壁が邪魔するので作業を急いでいるのか?
    昨日、3号炉の格納容器の圧力が設計基準を超えて壊れそうになったので、弁の開放圧力低減を図ろうとした。幸い格納容器は壊れなかったようです。壊れれば大量の放射能物質が出て、放射線濃度が上がって作業どころでなくなった可能性がある。
    報道で不明なのは、上部外壁(使用済み核燃料プールの上の外壁)は明らかに壊れていますが、格納容器を囲む下部外壁は穴があいていないかということ。下部外壁が損傷していなければ、格納容器が壊れても、注水でコンクリートが融けるほど高温にならなければ、周辺に出る放射性物質は少ないでしょうに。
    状況不明????

  24. 人材不足?

    3.20 21:43 産経ニュースによれば
    辻元清美衆院議員を震災ボランティア担当の首相補佐官に起用したのか。辻元氏は自身のブログに「軍隊という組織がいかに人道支援に適していないか」とも記している。こんな人物がボランティア部隊の指揮を執るとは。被災地で命がけで活動している自衛隊員は一体どんな思いで受け止めているだろうか
    民主党が人材難とはいえ、自衛隊を「暴力装置」呼ばわりした仙谷由人代表代行を被災者支援担当の官房副長官に起用したのも理解できない

  25. 3号機灰煙2号機白煙

    首相「危機脱する光明見えた」=福島原発、被害拡大防止に全力
    その後
    東京電力は21日午後、福島第1原子力発電所3号機の原子炉建屋の屋上南東側から、灰色がかった煙が発生したと発表した。発生場所は使用済み燃料プールの周辺で、発煙の原因は不明
    保安院は21日、同日午後6時20分頃、東京電力福島第一原子力発電所2号機の原子炉建屋から、白煙が上がったことを明らかにした。
    (2011年3月21日19時13分 読売新聞)

  26. 3号機謎の黒煙

    3号機で黒煙が上がったのは午後3時55分ごろ。保安院によると、2号機から北西に約500メートル離れた事務所本館北側の放射線量は黒煙が上がる直前に1時間あたり2013マイクロシーベルトで、午後4時半に2015マイクロシーベルトとほとんど変化はなかった。保安院は「3号機にはまだ電気がつながっていないため漏電などによる火災とは考えにくい」と説明している。
    NHKの保安院のニュースに遅れがでてきた。

  27. 20日さらに深刻化

    原子力資料情報室(民間団体)
    3号機から放射能が大量に放出される危険が高まった。
    30km圏外を出ること、圏外でも放射性物質が届く(風にはこばれ)危険性が出ている。
    後藤博士の現状分析
    1.3号機格納容器の上昇:状況が変化、格納容器の蒸気・ガスを放出。直接気中に出すと、今までの10倍以上放射能がup。しかし、圧力小康で排出を見合わせた。
    2.圧力上昇は、圧力容器内の冷却不足。逃がし安全弁から、また輻射熱が直接格納容器の温度と圧力を上昇させている。
    3.放置すれば、格納容器が壊れる。今後、熱upすれば放出せざるを得ない。いつまで続くか。すくなくとも1年は冷却しなくてはいけない。TMIでは2年かかっている。
    4.百万KW級で21トンの燃料の崩壊熱。石油換算で30万トンタンカー5隻分。熱量は巨大である。
    5.格納容器以外のもう一つの問題は、4号炉などの使用済み燃料プールの問題。
    6.何故4号炉で熱が出たか。臨界を防ぐための間隔を置いて保管している。しかしながら、地震で壊れれば、かたまって、熱を出し蒸気を発生。中性子線がでたとの未確認情報がある。これば、一部で臨界が起こって、すぐにその状態が無くなった可能性がある。臨界による温度上昇の可能性がある。
    7.場合によっては、再臨界がおこるのでは?極めて低い可能性である。適当な量の燃料のかたまりと水の条件が必要。絶対ないとは言い切れない。再臨界よりも蒸気爆発の可能性が高い。
    8.圧力容器の溶融物がコンクリートに落ちた場合大量のガス(酸素がないので水素ガスなど)がでて、圧量く上昇で格納容器が壊れる。
    9.いろいろな格納容器の壊れ方がある。金属以外の樹脂材料部分が熱に弱い。上部のフランジにもゴムでシールしている。300度になれば破損して、温度による破損の可能性がある。(この場合もガスが噴き出す?)
    10.「プールが損傷したのでは?」。センサー類がやられる。手さぐり状態か。
    11.「外部の作業の困難?」限られた数分などの時間での作業になる。
    12.「プールの水はどのにいった?」プールの水位情報がないので答えられない。
    13.現在、プールのどこかが壊れている。2号炉は15日以降測れない。
    14.4号機の4Fの壁の破損が報道されている。プールの水漏れか?。燃料露出が問題。(放水による水位の確保)
    また臨界になる危険を心配している。中性子をとるホウ酸水を入れる必要がある。
    15.コンクリート上で溶融物がたまって止まるか。(石川氏の言)融けて止まるかどうかは条件による。圧力容器から格納容器に一挙に噴き出すと、格納容器も同時に大幅破損する蓋が飛ぶなどの事態は最悪であるが・・・。いまはその可能性は減ってきている。一部破損はしている。
    16.日々、このように心配する状況が収束するのは、1か月は続く。

  28. 20日さらに深刻化

    福島第一原発の電源復旧に向けた作業は22日午前8時、約16時間ぶりに再開
    再開したのは1、2、3、4号機の電源復旧工事。送電ケーブルが敷設され、電力供給ラインができている1、2号機は、通電に向けた機器や電気系統の点検を行う。中でも、原子炉格納容器下部の圧力抑制室が損傷しているとみられる2号機の中央制御室の設備復旧を目指している。
    3、4号機が問題か
    21日午後3時55分に3号機原子炉建屋から、何かが燃えているような灰色の煙が上がるのが確認されたために中断。午後6時過ぎには2号機からも白煙が上がった。2号機では22日も屋根付近から時折、もやのような白煙が漂い、内部でかなりの蒸気が発生している様子がうかがえるという。2号機は原子炉建屋の外壁が残っているため、外からの放水で冷やすことができない。3号機でも白いもやのような蒸気が見えている。

  29. 最悪でもチェルノブイリでない!

    飯田哲彦環境エネルギー研究所長と北村晴彦東北大学名誉教授の私信に基づく定性評価があります。
    http://www.isep.or.jp/images/press/script110320.pdf
    最悪事態が発生しても、現状の避難範囲の拡張的な見直しなどで済むとしている。
    首都圏まで、避難などの心配は御無用とのことです。
    格納容器の大幅損壊、下部外壁が吹き飛ぶような事態はたしかに想定しにくいとの見方。

  30. 3号機通電

    3号機中央制御室に通電、炉心に真水注水へ
    23日、前日夜に外部電源が中央制御室まで通じた3号機と、隣接の4号機で、原子炉や使用済み核燃料一時貯蔵プールに真水を送り込む補給水系ポンプを稼働する作業が進められている。
    24日をめどに、現在の仮設ポンプを使った原子炉への海水注入を、補給水系で今後の管理が容易な真水の注入に切り替える予定。また、原子炉とは別に、貯蔵プールに仮設ポンプを使って海水を送り込む装置を動かすことを検討している。
    4号機でも、外部電源を使って補給水系の復旧を目指すとともに、仮設ポンプで貯蔵プールに注水ができないか検討している。

  31. 1,2号機

    1、3、4号機では22日夜から23日未明に、原子炉などの様々なデータを取得する計器用の電源への通電に成功したと。
    1号機でも中央制御室の計測器の一部に電気が届いたが、、原子炉内の温度が上昇していることがわかり、仮設ポンプの海水注入を2系統による毎時18トンに増やした。
    2号機は、津波による被害が大きく、電源回復作業が難航している

  32. 1,2号機

    1、3、4号機では22日夜から23日未明に、原子炉などの様々なデータを取得する計器用の電源への通電に成功したと。
    1号機でも中央制御室の計測器の一部に電気が届いたが、、原子炉内の温度が上昇していることがわかり、仮設ポンプの海水注入を2系統による毎時18トンに増やした。
    2号機は、津波による被害が大きく、電源回復作業が難航している

  33. 西山英彦審議官と保安院

    保安院の検査官が事故発生後に約1週間、同原発を離れていた。検査官7人が同原発で業務に当たっていたが、15日に現地本部が福島県庁に移った際、ともに県庁へ移動。22日に、検査官2人が同原発内の施設に戻った。
    西山審議官は、「最前線で実態を見ずに東電側にアドバイスできるのか」と問われると、「そこは選択の問題。色んな困難を考えて当時は出たが、再配置した」と答えた。

  34. IAEA会合

    毎日新聞ロンドン発
    原子力保安院、IAEA会合にお粗末対応。
    21日開かれた各国外交団向けの技術説明会で日本政府のお粗末な対応ぶりに席を立つ外交団の姿もあったと言い、日本政府の説明不足に対する不信感が高まっている。
    現在の概要を説明する英語版の資料
    (1)福島第1原発周辺の放射線量測定値
    (2)福島県対策本部作成の福島県内測定値--の2種類の日本語資料が配布された。
    原発でどのような事象が起きたのかと因果関係を尋ねたのに対し、保安院の担当者は「因果関係を詳しく把握していない。調査した上で回答する」と述べたという

  35. 体内での半減期

    東京大付属病院の中川恵一准教授は「ヨウ素は1カ月で16分の1に減り、3カ月もするとほぼゼロになる」という。一方、放射性セシウムは半減期が30年と長い。環境への長期の影響が心配されるが、「体内では排尿などで放出されるので、100日程度で半分になる」。
    1キログラムあたり1万5020ベクレルのヨウ素が検出されたホウレンソウを食べたときの影響は0.33ミリシーベルト。日本人の1日の平均摂取量は約15グラムなので、実際の影響は0.0049ミリシーベルトになる

  36. 1号機核燃料溶融の可能性も

    原子力安全委員会の班目春樹委員長は23日夜
    「(水素爆発した)1号機の核燃料はかなり溶融している可能性がある。2、3号機に比べて、最も危険な状態が続いている」と指摘。原子炉内の温度、圧力の異常上昇が続き、危険な状況にさしかかっているとして、「(炉心が入っている)圧力容器の蒸気を放出する弁開放を行い、炉の破壊を防ぐ検討をしている」ことを明らかにした.
    23日、1号機の炉内の温度は一時、400度と設計温度(302度)を上回ったが、注水によって温度が下がっている。しかし、圧力の上昇が続き不安定な状態になっている.
    容器の破損を避けるための究極の選択である。格納容器内に放射性物質があると格納容器の弁の開放は放射性物質を外部に放出させる。

  37. 30km圏外でも100ミリシーベルト超の試算

    政府は、福島第一原発から30キロ以上離れた屋内退避区域の外でも、一定の条件下では100ミリシーベルトを超えて被ばくする可能性があるという試算を発表しました
    http://www.tv-asahi.co.jp/ann/news/web/html/210324004.html
    試算によると、原発から30キロを超える南側のいわき市や北西側の飯舘村、川俣町でも100ミリシーベルトを超えています。安全委員会は、原発の風下にあたる場合は窓を閉めて屋内にとどまるよう求める一方、屋内では放射線量を4分の1以下に抑えられるとして、「退避区域を変える必要はない」としています。

  38. 1号機のリスク上昇

    格納容器は放射性物質を閉じ込める最大の砦。
    にもかかわらず、1号機は、ここの温度が設計基準の200から300度の温度を超えて、390度にも上昇???。圧力も上昇。格納容器が破壊されるのを避けるために、圧力逃がすため弁の開放を判断するかもしれない。
    放射性物質を外部に放出され、作業困難に陥らないことを祈っている。
    390度は報道された値であり、圧力容器の外側の温度で、輻射熱を測ったものと想定しているが・・。
    最重要の温度測定値(場所と温度と測定方法)のデータの公表がないのは問題である。

  39. 24日深刻な状態

    24日09時23分 読売新聞
    原子炉内の温度が、一時400度まで上昇した福島第一原発1号機に関して、東電は23日未明から仮設ポンプで、海水の注水量を増加、冷却作業を進め、午後6時現在で温度を306度まで下げた。
    宮崎慶次・大阪大名誉教授(原子力工学)は「原子炉の上部と下部で同じ約400度を示したのは、燃料の上部が冠水していないというより、水がほとんど入っていないのではないか。圧力容器を壊すような数値ではないが、深刻な状況が続いていると言える」としている。
    23日の黒煙のあと、24日は作業が進んでいないようです。
    作業員が避難して、電源回復・機器の修繕の作業も進んでいないという。放水もストップして、1から4号機のすべてから白煙(蒸気)がでている。炉への注水も難しく、使用済み燃料プールへの注水が滞っている、
    格納容器の破損の事態が発生しないことを祈る。

  40. 24日1,2,3号機は?

    前日、3号機からでていた黒煙がなくなり、安全が確認されたとして、中断していた作業を再開したと発表した。5号機の故障したポンプの修理や3号機の燃料プールへの注水作業などを行う。
    24日10時43分 読売新聞

  41. 24日1,2,3号機は?

    前日、3号機からでていた黒煙がなくなり、安全が確認されたとして、中断していた作業を再開したと発表した。5号機の故障したポンプの修理や3号機の燃料プールへの注水作業などを行う。
    24日10時43分 読売新聞

  42. 崩壊熱との長期戦

    原子炉:今回の事故は全電源喪失事故
    1、使用済み燃料の崩壊熱と炉内で停止(臨界でない)状態の燃料の崩壊熱が何を意味するか。
    2、電源なければ、蒸発し燃料棒が露出する。冷却できず温度が上がり、被覆管が融けるとバラバラになって落ちる。水素がでる。—>燃料棒が損傷している。
    3.圧力逃がし弁:圧力容器の圧力
    4.圧力抑制プールの圧力が設計基準の2倍ぐらいになった。
    5.放射能が広がっているのは、格納容器の一部損傷によって、蒸気とともに放射性物質が出ている証拠。初期の段階ではおおくないか。
    6.動力とポンプ、水がないと動かない。今回は外部から注水、消防車を使った。水が無いので海水を使った。
    7.水素爆発:なんらかの経路で水蒸気がもれた。
    8.昨日、温度情報をはじめて得た。うわさでは、圧力容器の外側表面、圧力容器の温度が不明?。技術情報なしに判断不能。しかし、格納容器の設計基準を超えており、非常に危険。
    9.水蒸気爆発、圧力容器内で燃料が大量に落ちれば、再臨界の可能性もあるが、私はそうはならないと思っている。
    10、有る研究者は4号炉で再臨界が一瞬起こっておさまったのではないか。中性子線が飛んだのは、プールから出たか?。
    11、溶融物が水にいれば水蒸気爆発。原子炉の場合、蒸気爆発を避けるために、冷却用の水を入れざるを得ない。
    起こる可能性は減少するも零ではない。
    年のオーダーで冷却しつづける必要がある。(放射線量のたかい環境下で)
    12.安定した冷却状態を作ることが、最大の対策。
    13.TMIの事故は、容器内で溶融したが、容器内で止まって安定冷却に入った。7から8年後に炉中の状態が判った。
    14.格納容器だけはベント(放射能を出す)することはあり得ない。設計上は一切出さない設計。しかし、格納容器の破壊を防ぐために、ベントせざるを得ない選択も考えだした。
    15、炉心の冷却が進まず、格納容器の温度と圧力があがった。–>300度をこえれば電気配線貫通部がもたない可能性がある。
    16.ドライウェルベント(水を介さず出す=10倍高濃度の放射能がでる)の可能性が出た。
    矛盾:「格納容器を壊すか、高濃度放射能を出すか」の選択肢に陥っている状況。
    安全委員会は、圧力と温度で設計条件とした。非常にシビアなアクシデントはありえないとのスタンス。
    欧米ではサンドフィルターを付けている。日本では付けていない。但し、爆発事故では有効でない。
    設計:起こりうることは、起こると思って設計すべし。(起こった場合の安全管理技術、安全対策も大事)
    フェールセーフ:壊れてからも、安全になるようにすること。
    津波+全電源停止による同時多発故障???(非常に確率の小さな事象)

  43. 24日被爆で作業中断

    24日午後0時20分、3号機タービン建屋1階、地下で働いていた作業員に対して退避指示を出した。福島第1原発ではこの日、3号機以外の1、2、4号機でも同様の作業が行われており、建屋内の水がたまった場所に放射性物質が含まれている可能性があるため、3号機と同様な環境での復旧作業を一斉に中断した。
    除去や遮蔽(しゃへい)ができれば作業を再開する見通し。

  44. メーカー各社も派遣

    25日毎日新聞の東京朝刊
    福島第1原発の主契約メーカーは、▽1号機が米GE▽2、6号機がGE・東芝連合▽3、5号機が東芝▽4号機が日立製作所。東芝は「技術力、責任感のある選抜チーム」(広報室)約100人を派遣、電源復旧や海水くみ上げポンプの設置を担当する。日立は電気系統の技術者ら120人を派遣。原子炉圧力容器などを納めたIHIは、約30人が2号機の注水作業を手助けした。電力各社も福島原発事故を「できる限り支援する」(関西電力の八木誠社長)ため、被災地に計約1400人を派遣。送電網の復旧や、原発周辺の放射線量測定などに取り組んでいる。

  45. スリーマイル超えレベル6相当

    莫大な放射能の放出でした!!
    3月25日3時0分 朝日新聞
    原子力安全委員会は同原発からの1時間あたりの放射性ヨウ素の放出率を推定した。事故発生直後の12日午前6時から24日午前0時までの放出量を単純計算すると、3万~11万テラベクレル(テラは1兆倍)になる。
    国際原子力事象評価尺度(INES)は、1986年のチェルノブイリ原発事故のような最悪の「レベル7=深刻な事故」を数万テラベクレル以上の放出と定義する。実際の放出量は約180万テラベクレルだったとされる。今回は少なくともそれに次ぐ「レベル6」(数千~数万テラベクレル)に相当する。
    保安院は18日、福島第一原発の1~3号機の暫定評価を「レベル5」と発表したが、今後放出量の見積もりが進めば、再検討される可能性が高い。
    何故、この報道が遅れたか??
    保安院が18日に、これまでのレベル4から、米国スリーマイル島の原発事故と並ぶ「レベル5」(広範囲な影響を伴う事故)に引き上げたが、今回 再度引き上げか?。

  46. 崩壊熱の試算値

    1-3号機についての推定値
    崩壊熱は、停止直後は、運転時出力の6%との試算があります。1日経過後には運転時出力の2%を切りますが、そこからの減少ペースは非常に緩やかです。そして1年後には0.2%程となります。この崩壊熱が除去されない場合、核燃料は加熱を始め、ジルカロイ製の被覆管の急速な酸化(〜1200℃)、(同合金の)溶融(〜1850℃)、そして燃料自体の溶融(〜2400-2860℃)などの望ましくない事態が発生することになります。1号機の定格は460MWe。 2、3号機は784MWe。
    http://darylfranz.tumblr.com/post/3948700593

  47. 3号機炉損傷し漏れか?

    日本経済新聞 電子版
    東電は25日未明に記者会見し、3号機タービン建屋内にたまった水から高濃度の放射性物質が検出されたと発表
    保安院は同日午前、「原子炉がどこかで損傷している可能性もある」とコメント。どこかでは????
    ということは、復旧が遅れる。周辺の放射線濃度が注水でますます高まるおそれもあるか?。燃料プールからのものか、格納容器の破損によるかが問題。経路は?。
    恐れるのは、使用済み燃料プールが損傷し水漏れして、注水で放射性物質が、投げれ出ている可能性か?
    再度注水したくも、漏れとの戦いも発生か?

  48. 3号機の謎

    3号機黒煙の意味??
    作業員3人が被曝3号機では、タービン建屋地下にたまった水から、通常の原子炉の冷却水と比べて、1万倍に達する高濃度の放射性物質が検出された。
    3号機では、14日に水素爆発が起き、貯蔵プールのある原子炉建屋が大きく壊れた。プールの冷却や給水ができなかったため、使用済み核燃料が過熱、一部が破損した可能性が指摘されている。その後、プールに水を供給するため、東京消防庁や自衛隊などが、24日までに約4050トンの海水を放水した。
    専門家は、〈1〉原子炉建屋4~5階のプールに一時貯蔵している使用済み燃料が破損し、大量の放水とともに流れ出した〈2〉原子炉からタービン建屋につながる主蒸気配管を閉鎖する弁などに不具合が発生し、蒸気が少しずつ漏れている〈3〉大気に放出された大量の放射性物質が水に溶け込んだ――という三つのシナリオを指摘する。
    黒煙発生後であるので、この関係を考えると、これは原子炉の弁の樹脂が燃えて、高濃度の炉内の放射性物質が、蒸気と共に外部に出ているか、下部のコンクリートのひび割れから、水と共に漏洩していると考えることも出来よう。
    (1)(3)ではなかろう?。黒煙との因果関係が問題である。保安院は、想定しているのでは?格納容器の破損にも触れているように思えるが?

  49. 関東の放射線量:過去最大ではない!

    15日、最も高かった栃木県は毎時0・864マイクロ・シーベルトで、東京都の同0・147マイクロ・シーベルト、埼玉県の同0・129マイクロ・シーベルトと続いた。
    中国の核実験の時よりは低かった。

  50. U235と核分裂、崩壊

    ウラン235は、天然ウランに0.72%、原子炉で使用するウラン燃料に3% – 5%、原子爆弾に使用する高濃縮ウランには90%以上がそれぞれ含まれている。
    ウラン235に中性子を一つ吸収させると、ウラン原子は大変不安定になり、二つの原子核と幾つかの高速中性子に分裂する。
    代表的な核分裂反応の例:ウラン235が、クリプトン92とバリウム141に分裂。この分裂の際、平均2 – 3個の高速中性子が放出される。この中性子が別のウラン235に再び吸収され、新たな核分裂反応を引き起こすことを核分裂連鎖反応という。この連鎖反応をゆっくりと進行させ、持続的にエネルギーを取り出すことに成功したのが原子炉である。
    原子炉が停止し、核分裂連鎖反応が止まっても、不安定な原子核(放射性同位体)が様々な相互作用によって状態を変化させる。連鎖反応を伴わない場合でも、放射性崩壊によってそれ自身が勝手に核種などを変えてゆくため、その過程で放出される放射線のエネルギーが周囲の物質を加熱し、崩壊熱 (decay heat) となって現われる。時間当たりに放出される崩壊熱のエネルギーは不安定な物質であるほど大きく、その大きさは元の放射性物質がしだいに放射線を放って比較的安定である核種や安定核種へと変化するに従って減少する。例えば原子炉の炉心では発電のための核反応を停止しても、その1秒後で運転出力の約7%ほどの熱が新たに生じ、時間の0.2乗に比例して減少しながら1日後でも約0.6%の熱が放出される。

  51. ベント

    経済産業省は
    6:50 原子炉等規制法第64条第3項の規定に基づき、福島第一原子力発電所第1号機及び第2号機に設置された原子炉格納容器内の圧力を抑制することを命じた。
    7:45 内閣総理大臣より、福島県知事、広野町長、楢葉町長、富岡町長及び大熊町長に対し、東京電力(株)福島第二原子力発電所で発生した事故に関し、原子力災害対策特別措置法第15条第3項の規定に基づく指示を出した。
    ・福島第二原子力発電所から半径3km圏内の住民に対する避難指示。
    ・福島第二原子力発電所から半径10km圏内の住民に対する屋内待避指示。
    保安院によると、12日午前9時すぎ、1つ目の排出弁をけ、同10時17分に2つ目の弁開放に着手。 だが不具合で開けず、調整後、実際の蒸気排出確認は午後2時半だった。 同HP上の保安院の別の発表では、14時40分に「蒸気の放出を開始」と表記。  
    枝野官房長官の会見録も、ベントは「14時ごろから」行われたとなっている。  
       
    1号機は午後3時36分に建屋が水素爆発。
    17:39 内閣総理大臣が福島第二原子力発電所から半径10km圏内の住民に対する避難を指示。
    18:25 内閣総理大臣が福島第一原子力発電所から半径20km圏内の住民に対する避難を指示
    19:55 福島第一原子力発電所1号機の海水注入について総理指示

  52. 原子炉は2度壊れたか?

    2013年3月18日の日経新聞に下記の記事が出た。`原子炉は2度壊れたか? 足りない事故の全容解明``大震災後の放射線量の推移から、3月19日から23日にかけて原子炉への注水量が極端に減った``大気中の放射性物質の量が21日から急増し、大放出のあった15日と同程度まで増加し、継続した。``注水不足による、再溶融があったのではとの可能性を示す研究者もいる。3号機格納容器の破断が21日に拡大したとの試算もあるという。``上の記事からも、白煙や黒煙が3号機から3月21日に上がっている。灰煙や黒煙の理由が説明されずに、過ぎたことを思い出させる記事でした

    1. tokyoblog Post author

      7年が経過した。

      東日本大震災で津波の被害を受けた1号機から4号機のうち、当時点検中だった4号機は、2014年に使用済み燃料プールから全ての燃料取り出しが完了している。
      運転中だった1~3号機には、使用済み燃料プール内に残された燃料と、原子炉から溶け落ちた燃料(燃料デブリ)が今も存在している。使用済み燃料プールからの燃料取り出しについては、3号機は2018年度中、1号機・2号機は2023年度を目処に取り出し作業を開始する予定だ。一方、 燃料デブリについては、2019年度までに取り出し方法を確定し、2021年内に取り出しを開始する予定だ。廃炉には、まだ長い時間がかかる

      —-
      5年後の報道

      東京電力が初めてメルトダウンを起こしたことを公式に認めたのは、事故から2ヵ月以上経った2011年5月15日。今から見ると解析結果は楽観的といえるものだった。

      当時、東京電力は、解析コードMAAPを用いて1号機の炉心状態をシミュレーションし、「解析及びプラントパラメータ(原子炉圧力容器周辺温度)によれば、炉心は大幅に損傷しているが、所定の装荷位置から下に移動・落下し、大部分はその位置付近で安定的に冷却できていると考える」と結論づけた。

      かみ砕いていえば「1号機はメルトダウン(炉心溶融)を起こしたものの、圧力容器の底が溶かされて燃料が容器の底を突き抜けるメルトスルーはごく限定的で、核燃料デブリは原子炉内にほとんどとどまっている」とされていたのだ。しかし、いまやそのように考えている専門家はほとんどいない。

      いまでは大量のメルトスルーが起きたことは、もはや専門家間で共通の認識であり、関心事は、格納容器に溶け落ちたデブリの広がりが、格納容器そのものを溶かしているかどうか、という点に移っている。

      今回の発表の特徴は、これまでの“どれだけ核燃料が溶けたか”に主眼を置いたものではなく、“どれだけ原子炉に水が入っていたか”という点に注目したことだ。その結果は、関係者に衝撃を与えた。

      「3月23日まで1号機の原子炉に対して冷却に寄与する注水は、ほぼゼロだった」

      事故当時に計測された、1号機の原子炉や格納容器の圧力に関するパラメーターを解析によって再現するためには、原子炉内への注水量を“ほぼゼロ”に設定しないと再現ができないことから、結論づけられたものだ。

      東京電力が1号機の注水量が十分でないことに気づき、注水ルートを変更したのが事故発生から12日経った3月23日のことだ。それまでは、1号機の原子炉冷却に寄与する注水はほぼゼロだったというのだ。

      会場はざわついていた。詰めかけた関係者の中で、最初に質問したのは全国の電力会社の原子力分野の安全対策を監視・指導する立場にある原子力安全推進協会(JANSI)の幹部だ。

      「事故から5年以上たって、初めて聞いた話だ。いまだにこんな話が出てくるなんて……」

      発言には明らかに不満が込められていた。