神皇産霊の系譜
神皇産霊尊-天御食持命(天道根命)-彦狭知命─手置帆負命─天越根命─比古麻命─天道根命という系図がある。
ミケモチ 天御食持命とは、『旧事』神皇産霊尊の子で天道根命・天神玉命の兄。紀伊値(きいのあたい)等の先祖である
手置帆負命 たおきほおいのみこと
『日本書紀』には「作笠者」とある。『古語拾遺』では、笠や矛を作ったとある。
古代の建築技術者、また笠・矛の製作専門技術者。
『古語拾遺』には、天照大御神が天岩戸にお隠れになった時、彦狭知命とともに天御量を作り、材木を切って瑞殿を作った。 よって、木工の祖神とされている。
建築関係の神様は沢山あり、家屋の神として棟上げの時に祭る神に、屋船久久能遅神(やふねくくぬちのかみ)と屋船豊宇気姫神(やふねとようけひめのかみ)の二神、大工の祖先神の 手置帆負神(田おきほおいのかみ)、彦狭知神(ひこさしりのかみ)そして、問題の屋根葺きの神は、天之吹男神(あめのふきおのかみ)とあり、説明に「吹」は「葺」すなわち屋根葺きの神とあります。
讃岐忌部氏は、手置帆負命(たおきほおひのみこと)を祖神とする
紀伊忌部氏は,彦狭知命(ひこさしりのみこと)を祖神とする
両神は、日本書紀・古語拾遺において並列に記される
『古語拾遺』天日鷲命の孫(すえ)は、木綿また麻また織布(あらたえ)を造る。
よって天富命をして日鷲命の孫を率ゐて肥饒地を求め阿波国に遣はし、穀(かじ)、麻の種を植ゑしめき。その裔、今彼の国にあり。大嘗の年に当りて、木綿、麻布、また種々の物を貢(たてまつ)る。郡の名を麻殖(おえ)とする所以(ゆえ)の縁(もと)なり。
忌部氏の祖は天岩戸で活躍した天太玉命であるが、ほかに天太玉命に従っていた五神があり、そのうち、天日鷲命が阿波忌部氏、手置帆負命が讃岐忌部氏、彦狭知命が紀伊忌部氏の祖となったという。なかでも天日鷲命は穀(カジノキ:楮の一種)・木綿などを植えて白和幣を作り、その子孫が最も著われて代々、木綿・麻布などを朝廷に貢上し、それは大嘗会の用に供された。麻植郡の名もこれから起こった。
天太玉命の孫天富命は、阿波忌部を率いて東国に渡り、麻・穀を植え、また太玉命社を建てた。これが、安房社で、その地は安房郡となりのちに安房国となったと伝えられる。いま、安房神社は安房国一宮となっている。
手置帆負命 を祀る神社
莫越山神社 千葉県南房総市宮下27
莫越山神社 千葉県南房総市沓見253
天計神社 岡山県岡山市北区中井町1-5
多和神社 香川県さぬき市前山字道2451
齋神社 兵庫県養父市長野字東山265
大口神社 三重県伊勢市竹ケ鼻町53-2-2
射楯兵主神社 境内 十二社合殿 兵庫県姫路市総社本町190
大津神社 境内 摂宮 岐阜県飛騨市神岡町船津1823-2
日前國懸神宮 境内 國懸宮末社 和歌山県和歌山市秋月365
櫛田神社 境内 手置帆負神社 福岡県福岡市博多区上川端町1-41
諏訪神社 境内 三柱神社 静岡県湖西市新居町新居1379
日枝神社 境内 麄香神社 富山県富山市山王町4-12