国生み、大八洲、天族

天つ神に言問いをして誤りを正し、島々が次々に生まれた。
 1.淡道の穂の狭別島…淡路島
 2.伊予の二名島(伊予国=愛比売・讃岐国=飯依比古
     粟国=大宜都比売・土佐国=建依別)…四国島
 3.隠岐の三子島(天之忍許呂別)…隠岐の島
 4.筑紫島(筑紫国=白日別・豊国=豊日別・肥国=建日向日豊久士比泥別・熊曽国=建日別)…九州島
 5.伊伎島(天比登都柱)…壱岐島
 6.津島(天之狭手依比売)…対馬
 7.佐度島(亦の名は無し)…佐渡島
 8.大倭豊秋津島(天御虚空豊秋津根別)…本州島
   -以上が大八島国-
 9.吉備児島(建日方別)…児島
10.小豆島(大野手比売)…小豆島
11.大島(大多麻流別)…周防大島
12.女島(天一根)…姫島
13.知訶島(天乃忍男)…値嘉島・五島列島
14.両児島(天両屋)…種子島・屋久島

※古事記本の脚注では「(両児島は)長崎県の男女群島  」とする。

・肥国…令制国の肥前と肥後北部を併せた領域。
亦の名を一般には「建日向・日豊久士比泥別」と区切り、日向国が入り込んでいる―と解釈するが、私見では「建日に向かい、日豊かなる奇日(久士比)の根(泥)分け(別)」とし、建日すなわち熊曽国に相対しており、神霊の豊かな大王の分国―と解釈する。

・天…あめ。14の島々のうち7つの亦の名に「天」が付く。亦の名自体がどうして付加されたのかも不明だが、説明が付きそうなのは伊伎(壱岐)島の「壱=比登都」、両児島の「両児=両屋」くらいである。
 天=海と解釈してみたいが、そうすると9.10.11.の島々には付いていないことの説明がつかない。