粟鹿大明神元記

December 2018 編集されました カテゴリ: 播磨
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但馬国朝来郡の粟鹿神社の社家には、粟鹿大名神元記という文書が残っております。 和銅元年に粟鹿神社祭主の神部直根…

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  • 『粟鹿大明神元記』
    和銅元年八月に但馬国粟鹿神社の神主(祭主)神部根が勘注上申した案文の写しでは、粟鹿神主は古代神部氏が奉斎していたことが知られ、系図を見ると素戔鳴尊より五世に大国主命がみえ、さらに太田々弥古命に連なっており、また、太田々弥古命の子太多彦命の子孫の速日・高日兄弟が神部直の姓を賜り、速日の子忍が但馬国造となり併せて粟鹿大神祭主となったと記されているという。そうすると粟鹿神社の神主神部氏は、大三輪氏と同族であり、出雲神族ということにもなるわけである。祭神は彦火々出見尊、あるいは日子坐王とされているが、摂社をみると厳島神社の市杵嶋姫命・床浦神社の大己貴命・天満宮の菅原道真など出雲神族系の神が多く、猿田彦神社の猿田彦神もクナトノ大神が猿田彦に代えられてしまったのであろう
  • 『粟鹿大明神元記』という、和銅元年八月に但馬国粟鹿神社の神主(祭主)神部根が勘注上申した案文の写しでは、粟鹿神主は古代神部氏が奉斎していたことが知られ、系図を見ると素戔鳴尊より五世に大国主命がみえ、さらに太田々弥古命に連なっており、また、太田々弥古命の子太多彦命の子孫の速日・高日兄弟が神部直の姓を賜り、速日の子忍が但馬国造となり併せて粟鹿大神祭主となったと記されているという。そうすると粟鹿神社の神主神部氏は、大三輪氏と同族であり、出雲神族ということにもなるわけである。祭神は彦火々出見尊、あるいは日子坐王とされているが、摂社をみると厳島神社の市杵嶋姫命・床浦神社の大己貴命・天満宮の菅原道真など出雲神族系の神が多く、猿田彦神社の猿田彦神もクナトノ大神が猿田彦に代えられてしまったのであろう。但馬一宮・粟鹿神社には古事記より古く和銅元年の成立といわれる『粟鹿大神元記』が伝わる。この神社の祭祀者は日子坐王の後裔とする日下部氏の以前はミワ氏であり、「古代氏族の系譜-ミワ氏族の移住と隆替-」(田中卓氏『日本国家成立と諸氏族』所収)によれば、次のようなことが書かれているそうである。http://www.geocities.jp/k_saito_site/kasagun6.htm より …この神部氏の系譜の伝へるところを信ずれば、同氏はもとミワ氏と祖先を同じくするが、先づ、崇神天皇の御世、大田田祢古命の子の大多彦命が命を承けて、国々の荒ぶる人等を平服せしめむがため、大国主神の術魂・荒魂を桙・楯・太刀・鏡に取着けて西国に出征し、但馬国朝来郡の粟鹿村に宿住したといふのである。…その後、成務天皇の御世、武押雲命の孫の速日が、粟鹿大神を拝祭するが故に神部直の姓を賜ひ、また但馬国の国造に定められたといふ。但馬国造については日下部氏との関係があり、後述するが、この頃に当地方における祭政両面の権威を確立したことが察せられ、殊に系譜によれば、速日および子の忍が共に物部連小事の女を娶ってゐるらしいから、物部氏と結ぶことによってこの氏の勢力は更に増大したことであらう。そしてそれは次代の忍が神功皇后の新羅征伐に但馬国の人民を率ゐて参加したといふ所伝とも照応する。新羅征伐にいかなる氏族が参加したかといふことは、重要にして興味ある問題であるが、別に詳しく之を論ずる機会があるので、ここには割愛する。しかし、本書によってミワ支族が"粟鹿大神の荒術魂を船鼻に取着けて"百済に赴いたといふ所伝の知られることは、実に珍重としなければならず、之は神功皇后摂政前紀の「令二諸国一集二船舶一練二兵甲一。時軍卒難V集。皇后曰、必神心焉。則立二大三輪社一。以奉二刀矛一矣。軍衆自聚。」といふ所伝とも、恐らく内面的に関連するところがあるであらう.そして事実において、粟鹿神社の摂社に住吉大神を祭る社があり、lこの社の下は古墳らしい。両者の関係の密接であることを物語ってゐる。…成立年代は和銅元年といふ本書奥書の年紀にふさはしく、疑ふべき積極的な理由の存しないことを詳述し、貴重なる本書の内容を基にして、ミワ支族たる神部氏が、崇神天皇の御世、山陰道但馬国へ移住し、粟鹿大神を奉祭して発展するが、やがて日下部氏興隆の前に、旧豪族としての地位を失ふに至ったといふ、一古代氏族盛衰の運命を明らかにしようとしたのであった。それは、一方において、天武天皇の御世を頂点とする対国造(豪族)政策の一面を、具体的に考へしめる結果となった。しかし、何分取扱った史料が和銅の原撰といふ希代の、しかも従来学界に殆ど知られなかった古記であって、非力なる私の文献批判が、果して識者の賛同をいただけるか否か、疑はしい切に御叱正を乞ふ次第である
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