国内銀行の資産の推移:流れが変化し民間の雇用が心配

国内銀行の資産の推移を調べる機会があったので、200年以降の時系列データをグラフ化してみました。
予想以上にお金が急激に国債・地方債や公社・公団債に流れるようになっています。信用収縮だからリスクの高い株式が減少したのは、理解できますが、預貯金の増加の殆どが、国債等に流れています。2008年以降に急増し、増加額は2年あまりで50から60兆円はあるでしょう。
民間企業向けの信用創造が全く感じられない資金の流れです。

国内銀行の資産の内訳:(単位 億円)

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一方、大手の企業は、事業債(社債等)を発行するなどして、危機対策をとったようです。しかしながら、大半の物づくり産業(製造業)は資金繰りやバランスシートの悪化に直面しているのではないでしょうか。
特に元気で、円高メリットのある内需産業までもが、委縮しているように思えます。
民間企業に資金が流れ、設備の更新や投資が継続し、雇用が増加するのでしょうが、このような循環は2007年までだったようです。あのころは、民間銀行は、国債等の割合を順調に減らすいっぽうで、民間への貸出を増加させていました。
早く内需中心の産業(製造業以外でGDPの75%もある)が需要を開拓したり、生産を増加させてほしいものです。

国内銀行の資産:社債の内訳

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参考:国債残高 など公的債務の急増:財政再建と行財政改革